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山中教授の子育て論とは?

1  動機「なぜこの本を読もうと思ったのか」

・ノーベル賞を取った山中教授はどのような育てられ方をしたのか

・山中教授は子育てに対してどのような考え方を持っているのか

・教育者として生かせることはあるか

2  課題意識「この本を読んでどんな課題を解決しようと思っているのか」

・結局、子育てでどんなことをすればよいのか?

3  著者の紹介 

山中伸弥さん・・・公益財団法人京都大学iPS研究所所長兼iPS細胞研究財団理事長。2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞。二人の娘の父である。ランニングが趣味で10km以上毎日走っている。

成田奈緒子さん・・・文教大学教育学部特別支援教育専修 教授  日本小児科学会認定小児科専門医・発達脳科学者  子育て科学アクシス 代表

神戸大学医学部時代に山中教授と同級生。

4  本の結論                 「乗り越える力+思いやり+感謝=勝手に育つ」


5  本の要点

 ① 乗り越える力がある子

・乗り越える力には、3つの要素があると述べられています。「自己肯定感」「社会性」「ソーシャルサポート」の3つです。

「自己肯定感」は、自分のことを大切にできる・肯定できる力

「社会性」は、社会の中で関係性を作っていく力

「ソーシャルサポート」は、自分が周りからどれだけ支援されているかという力またはそれに気づく力と定義しています。本書では、「おかげさまと思える力」と表現しているところが面白いと思いました。この3つの力を鍛えることが乗り越える力を身につけていくために大切である。

 だから、親にできることは教育的な介入をしていくことだと本書では述べられています。

 ② 相手の視点に立って考えられる子

・成田さんは、本書の中でこんな人は、どんな職業でも成功していくと述べています。

「ありがとう、ごめんねがしっかり言えて、人に寄り添えて、人の心をきちんと読み取れる人」

つまり、自分の視点だけではなくて、「相手の視点」に立って考えられる子はどんな状況でも活躍できると書いてあります。これは、医者でもそうですし、教師でもそうですし、どんな仕事でも相手のニーズを読み取って他者の視点に立って考えられる人が社会人として活躍できると思います。

 ③ 相手に感謝できる子

・本書の中では、山中先生と成田先生の生き様のようなことが書かれてあります。また、対談形式になっていたり、余白も多いことから非常に読みやすい本となっています。文章の中にお二人の人生についても書かれていますが、辛かった時の経験が出てきます。成田先生は、親から認めてもらえなかったことや山中先生はコロナ禍でなかなか研究が思うようにいかなかったこと。

 そんな中でも、ピンチが訪れた時に乗り越える力として「感謝できる力」が必要と述べられています。

 悪いことがあったときには「周りのせい」ではなく、「身から出た錆」と思うこと。

 いいことがあったときは、「自分の成果」ではなく、「おかげさまで」と思うこと。そのような考え方を教えていけば、うまく行かなかった時に「立ち直るきっかけ」ができると述べられています。

6  教師としての考え

・自己肯定感・社会性・ソーシャルサポートという3つの点は教員としての最たる仕事だと感じました。その子のことを見て、よく観察し、いいところを認め、集団の中での関わり方を一緒に考え、その子のことをみんなで助けたりする。

 また、教師も困った時には「みんな先生困っているから助けて!」と言ったり、「ありがとう」「ごめんね」「嬉しい」などと一人の人間としてきちんと言葉にして伝えていくことが一人の教師・一人の先に生きてきた人間としてできることだと感じました。

7  保護者としての考え

・本書の中で、親がしてあげられるのは「よい習慣を身につけさせていくこと」と書いてありました。早寝早起き朝ごはん・ありがとうが言える・ごめんねが言えるなど要するに「子どもは親の背中を見て育つ」ということです。子どものことを真剣に考え、よい習慣を身につけさせ、考え方を伝えていく。あとは、ほったらかして子どもが好きなことをすればよい。そんな心構えでその子を育てていけば良いという風に考えました。

8  子育てハッピーアクション

・よい習慣を身に付けさせよう。「早寝早起き朝ごはん」

・親がええかっこしいをやめて、一人の人間としての生き方を見せよう。

・ありがとう・ごめんねを子どもに対しても積極的に言おう。

とても読みやすい本でした。ぜひ、本書を手に取ってみてください。

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