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流星群

貴方の事を考えていたら流れ星を見ました。
満天の星空の下、どうか彼らにとって明日も平穏でありますように──感情を感情で俯瞰すること──それのどこがいけないの。

あの時、必死だった。
未熟すぎて傷つけ、傷つけていることにすら気がつけなかった。
愛ははじめから貴方と巡り合ったときから、そこにあったのに。
愛してほしい───ただそれしか思えなかった。
私が貴方を愛している事に気がついた時には、貴方の全身での愛が忘却の彼方に沈み、後悔の仕方すらわからない。
遥かな雲海に広がる満天の星空に、私の愛する貴方の幸せを願う。
私の愛するたったひとりの貴方に赦してほしいという傲慢さを捨てきれない私と、貴方が私の愛を希求していたことを無碍にした私の業。

全身を纏う漆黒の闇は、ただただ重苦しい熱の篭もった湿気として、私から離れない。

語ることの無力さと理解されたいことへの絶望に近い希望──誰もあなたの代わりにはなれないと悟る絶望と讃歌。

夏の夜、いつものように、宙を見上げて星を探す。

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