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散文とか短編小説とか

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僕の回りくどい手紙のような散文
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2022年8月の記事一覧

朝のピアノ教室でのこと

新しい楽曲三曲。 バッハ 平均律プレリュード2番 バッハ インベンション4番 ショパン プレ…

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竹二郎の物語③ 戦後77年編

竹二郎と淑子が亡くなり、8年近くが経過していた。 台風の影響で海沿いの街は湿気が強かった。…

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竹二郎の物語② 戦後編

第一話はこちら 「安寿恋しや、ほうやれほ。 厨子王恋しや、ほうやれほ。 鳥も生(しょう)ある…

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竹二郎の物語① 戦時編

1915年、湘南某所。 比較的裕福だった家に9人兄弟の8番目の男子、竹二郎が生まれた。 竹二郎は…

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良い文章ってなんだろう

僕が子どもの頃、とてつもない衝撃を受けた大文豪、志賀直哉。 彼の作品、『清兵衛と瓢箪』を…

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チンフル教

ある日、唐突に大量のイイネを押されてDMが来る。 建設垢でも読書垢でもこんなDMや工具の販売…

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月、ログイン──インターネット接続エラー

夏、ホラーっぽいというか陰鬱創作ショートショート Chouchouの楽曲からのインスピレーション ─── 縦書き  アカネは今日も誰も居ない部屋に戻ってきた。オレンジ色の月が西の闇に沈みかけている。夏の蒸し返すような湿気のこもった暑い部屋。エアコンのスイッチを入れて風呂を沸かす。汗が全身を伝わる。ポツンと置いてある大きな液晶ディスプレイはTVではなくPC用だ。TVは買っていない。だからNHKに受信料を払う義理もない。ゲーム機のスイッチをオンにするとディスプレイ画面にい