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鹿子裕文『ブードゥーラウンジ』(ナナロク社)

鹿子裕文『ブードゥーラウンジ』(ナナロク社)



一刻もはやくこの本をぶん投げて、読むのをやめてしまいたい。

とか書くと鹿子さんがえんえんと泣いてしまい、それを見た担当編集ネギー川口氏がネギどころか大根で鹿子さんの尻を叩き、その様子を見たナナロク社社長村井さんが会社資金を売り払いハワイに逃げる、なんてことが起こるかもしれないが事実なのだから仕方がない。だって1ページ読むごとに「ブードゥーラウンジに行きたい」という感情が抑えきれなくなり、でも

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真摯な本にふれる

真摯な本にふれる

「ふつう」とか「常識」とか「世間」みたいなものの呪縛から逃れられるような本、というのを意識して扱いたいと思っている。ゆえにこだまさんの『夫のちんぽが入らない』は読後すぐに「生涯店頭に置きつづける」と誓ったし(そのときはまだ棚担当を持った書店員ではなかったけど)、この本が自分の「本屋とは」という問いへの答え、軸になるものだと思った。

あれから数年が経ち、そういった「誰かの光/救いになるかもしれない

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