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「大変混み合っております…」大混雑で本屋を困らせようぜっていう話
「店内大変混み合っておりますので……」
そんなアナウンスを本屋で耳にした。バスや電車の中ではない。本屋だ。まちの本屋がどんどん消滅している現代においては夢のようなセリフである。
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ここは文学のまち愛媛県松山市。言わずと知れた夏目漱石『坊っちゃん』の舞台。そんなまちの一角にたたずむ素敵な本屋「本の轍」さんにお邪魔した。
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二郎系ラーメン屋ではない。本屋だ。
でもね、この日、確かに聞いたの。
「店内大変混み合っておりますので……」
本屋好きの皆様、想像していただきたい。こんなアナウンスが聞ける本屋さんって、最高じゃない? みんな、もっと本屋に押し寄せるんだ!
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訪れたのは3月末。この日の本の轍さんでは、「94歳セツの新聞ちぎり絵日記」刊行記念 木村セツ原画展が行われていた。開店からじわじわとお客さんが増えていき、混雑して身動きが取りにくくなったところで、店主さんから先のアナウンスがあったのだ。イベント効果、絶大である。
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売り場面積がコンパクトな本屋さんではある。しかしその限られた空間に、これでもかと言うくらいの量の、素敵な本と雑貨が散りばめられていた。空間が限られているからこそ、濃度が高い。
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本屋を始めたいと思っている私が、簡単に「参考にします」と言うには、ちょっと簡単には真似できない空間のつくりかた。おしゃれな雑貨と、素敵な本というラインナップ。コンセプトは"本と雑貨をハシゴして、ついでにコーヒーも飲めるブックストア"。そう、コーヒーも飲めちゃう。無敵じゃん?
「ラヂヲ文庫」を発見。和田ラヂヲ先生特化棚。旅行者視点だと、こういう棚が嬉しい。和田ラヂヲ先生は松山出身とのこと。こういう「ご当地感」や「店主の推し」棚、大好き。真似したい。名古屋出身の私の推し…?「パンサー向井さん」棚…??
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お…?わりといいぞ…?
わたしはパンサー向井さんが大好きで、ずっと名古屋のラジオを聴いている。名古屋市熱田区出身。実家が近い。年齢もひとつしか違わず、世代が一緒なので、話の共感度も高い。
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ラジオでよく本の紹介をされているが、さすが令和のラジオスターと呼ばれるだけあって、その本の面白さを言葉にして伝えることがお上手。ついつい、彼が紹介する本は買ってしまう。向井さんが紹介する本を並べる棚「BUTAKOYABOOKS パンサー向井文庫」。勝手に妄想だけが膨らむ。
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おっと、話が横道にそれた。「本の轍」さんは愛媛県は松山。あの道後温泉からも、車や伊予鉄道で行くことができる。
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「本の轍」さんから歩いて行けるところに、スタバ併設の「坊っちゃん列車ミュージアム」も。子連れの方は、こちらと組み合わせることをおすすめする。
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そしてやっぱりこのまちを訪れるからには夏目漱石の『坊っちゃん』を読んでから行ってほしい。小学生でも読めるものがあるので、ぜひ、親子でも。ちなみに、坊っちゃんはアニメにもなっているので、園児はそちらを!
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「本の轍」さんでもいくつか本を購入したが、ここでこの本に出合えたのはとてもよかった。『観光地ぶらり』著:橋本倫史さん 太田出版。
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開いてすぐ「道後温泉」について。松山に居ながら、松山の本屋さんで、道後温泉を他の人の目線から感じることができるって、超特別な体験。最高だ。
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やっぱり本屋さんって、こういう本との出合いがあるからいい。Amazonは便利だけど、こうはいかないんだよ。みんな本屋にもっといこうぜ。日本中の本屋で「店内大変混み合っておりますので……」ってアナウンスが、もっともっと鳴り響けばいいんだ。
さあGWが始まったぞ。ぜひ皆様、松山の素敵な本屋「本の轍」さんへ、四国の本屋さんへ、全国の本屋さんへ旅に出てみてはいかがでしょうか。押し寄せましょう。そして全国の本屋さんの店主を困らせましょう。「店内大変混み合っておりますので……」って。
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