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わたしによく似た人を10人くらい集めて、パーティを開く。
「自分にそっくりな人は世界に3人いる」という有名な言葉がある。
「THE・量産型あんこ型ロボ」である筆者ことわたしの場合、3人どころの騒ぎではない。本ッッ当にわたしは、わたしの知らないわたしによく似たわたしではないだれかに間違えられることが多い。
去年の夏に鹿児島の繁華街を歩いていたら、着物をお召しの素敵な御姉様に「(お住まいが)おとなりの方…?」と声を掛けられた。違う。あなたのとなりには住んでいない。西郷とも縁は無い。
今年受け持っているクラスに、わたしに顔も体形もそっくりな児童がいる。本当に瓜二つで、息子ではないかと職員に疑われている。実の息子より息子顔をしている。わたしが急に教室を離れる際には、担任不在となるこの部屋の影武者を任せるくらいには似ている。もちろん冗談でだ。
学校の話を続けると、わたしが着任すると同時に離任した教員がこれまたわたしにそっくりで、「同じような先生が出たり入ったりしてきた」と子どもに言われたことがある。
栄のサイゼリアでドリアを食ってたら、やたらとテンションが高い御姉様に、「あら〜!久しぶり!元気?」と声を掛けられたことがある。大概の方は、「いや…人違いだと思います…」と否定をすると顔を真っ赤にして謝ってくれるが、この方に至っては否定をしても「は?何言ってんの?」と、むしろキレられた。世の中どうなっているのよ。
広島県の超有名な本屋「ウィー東城店」を手がける佐藤友則さんの講演会を守山図書館に聞きに行ったことがある。夏葉社さん発行の『本屋で待つ』がとても面白かったので、佐藤さんにサインを書いてもらう列に並んでいた。
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自分の番が来てご挨拶をすると、私の顔を見た佐藤さんは「あれ…?!」と惑っていた。
「あなたにとても似ている人が、出版関係の方の中にいます。」と、佐藤さん。しかも、後ろに控えていたお連れの関係者の皆さんも、全力で佐藤さんに同意されていた。もうね、驚かないよ。本屋になった際にはぜひその方と会わせていただきたいものである。
極めつけに、たまたま手に取った絵本の中にも私を見つけたことがある。
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『わたしたちのケーキのわけかた』という絵本の中にも存在を確認した。キム・ヒョウンさん作。そう、韓国でつくられた絵本。なるほど、海外にも「わたし」がたくさんいる可能性があるわけだ。
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作:キム・ヒョウン
ここまでたくさんそっくりな人に出会ってしまうと、なんだか特別な感情をもってしまう。若い頃は「あいつオマエに似てるよなw」なんて言われれば、うるせえな!と思っていたが、今となってはそんな同志を「もしかしたら似たような人生を歩んできた仲間なのかもしれない」と、大切に思ってしまっている。
老若男女多国籍の「わたし」を10人くらい集めて、なんかどこかを貸し切って、パーティがしたいくらいだ。サッカーやろうぜ。わたしは万年ゴールキーパーだったから、ドリブルで敵陣に切り込む「わたし」が見たいよ。缶蹴りとかやったら鬼は辛そうだね。「幽体離脱〜〜」みたいなギャグの人数が多いバージョンをみんなで考えようか。集合写真は欠かせないね。
きっと似たような遺伝子を持っているはずなのである。仲良くなれるだろうか。いや、同族嫌悪でいがみあう可能性もある。わたしは足が遅いが、きっとめちゃくちゃ足の速い「わたし」もいるだろう。綺麗な歌声をもつ「わたし」もいるだろうし、めちゃくちゃ賢い「わたし」もどこかにいるだろう。「わたし」と「わたし」みたいな人同士で結婚するようなカップルもいるかもしれない。そしたらまたわたしのような見た目の子どもが産まれて、それから…。
何が言いたいのかよくわからなくなってしまったが、とにかくわたしは「わたし」に似ている人の情報をこれからも集め続けていく。ていうか何故だか勝手に集まってくるし勝手に寄ってくる。リアルでのお付き合いがある方は、ぜひ私のドッペルゲンガーを見つけた際には、ご一報いただきたい。
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