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読書メモ:三体0【ゼロ】 球状閃電

『三体』シリーズはストーリーそのものの長さも、スケールの大きさもまさに大作で、大人になってほとんど小説を読まなくなってしまった私のような者でもSFの醍醐味というものを鮮烈に味あわせていただいた。「あじあわせ?」「あじわわせ?」まあいいや。それぞれボリュームがあるので、いつまでたっても終わらない壁のような重さと、それでもいつかは終わってしまうという残念な気持ちの中で、内容に埋没していきました。そもそも中国発の現代小説でSFっていうそれぞれの要素自体が全部初物じゃない?という感じでおっかなびっくり読みはじめたのですが、謎すぎる現象のホラー的恐怖が続いたままAR世界体験みたいな三体ゲームの不条理とどんよりした暗さにこれどうなるの?とストーリーを追わざるを得なくなっていった。最終巻が終わった瞬間は達成感よりも、もう終わるもう終わってしまうというカウントダウンでロスの極みという感じになってしまった。

読了後、著者名で検索しても他の本は出てこなかった。やっぱそうなんだなとがっかりして、知り合いの何人か本冊を読んだ人と感想を話し合って、そして静かに忘れていった。そして新作が出るとしてカートには早々に入れていたのだが、読む前から読み終わったらロスになるだろうなぁという前のめりな喪失感があり読み始めるのにかなり時間がかかった。ずいぶんもったいぶったいい方になるけれども、でも本当にそれぐらい『三体』にはインパクトがあった。

で、新作である。これを書いているということはすなわち読み終えたばかりということになるのですが、つまりこれがどういう状態かというとロス真っ只中です。約16時間どっぷりつかっていたのが終わってしまった悲しみの中これを書いているということです。

三体ゼロということは、三体物語の前のストーリーなのかなと思いますよね。ハリー・ポッターに対してのファンタスティック・ビーストみたいな。これは、違いました。別のお話でした。でも三体0って、プリン体ほか3体ゼロみたいな、発泡酒みたいな感じもしないこともありません。では球状閃電ってなんだ?武藤のシャイニングウィザード(閃光魔術)みたいなものか?これは、まさにそうですね。そうですかね?

三体のような宇宙的スケールではないが、現代物理の研究、軍事利用と倫理、そして一つのことに一生取り組むという人生、これら様々なテーマでストーリーは進んでいきました。そして終わりました。次のやつをくれ、早くくれ。

利用サービス:audible
カバー画像:a red ball of electricity floating in the air on a stormy night

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