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戸村飯店青春100連発

著・瀬尾まいこさん 2008年初版

〈あらすじ〉

 なんでも器用にこなす、兄・戸村ヘイスケと飯店の人気者、弟・戸村コウスケ。兄・ヘイスケは高校卒業を機に戸村飯店から逃げ出すべく東京へと進学することを勝手に決めて出ていってしまった。弟・コウスケは自分が戸村飯店を継ぐんだと思って生きていた。しかし、ある時の三者面談で父親に「お前かて、もう十八やろが、でていけ」と言われてしまう。そんな父の発言をきっかけにコウスケは考え直すことになる。自分のやりたいことは何のか。自分には何ができるのかを。そんな二人の葛藤と青春を描いた一冊。

〈刺さった言葉〉

P.27「ほんまお前は無知やな。言葉で人を幸せにすることも、ヒトを殺すこともできるんやで。しかし、そう思ったらボールペンを作った人はノーベル賞もんやな」

〈感想〉

 まさに青春!!

 面白くてページを進める手が止まりませんでした(笑)

 青春か~。学生時代に青春と呼べるものを僕はやったのだろうか?振り返ってみても微妙だなと思います。それなりに楽しかったし、友達もいたけど、小説のような青春はおくってこなかったかも(笑)。時々、こんな高校生活おくりたかったな~って小説に出会う。自分の高校生活はそんなに華々しいものではなかったけれど、疑似体験でもそれを味わうことができる小説はやっぱりいいなって思う。

 僕にも兄弟がいるけれど、歳があまりにも離れすぎているので、この小説の兄弟のようにケンカしあったり、何かを相談したりってことは全くないです。だから、それが少し羨ましいなと思いました。何でも言い合える関係っていいですよね。それが、兄弟でも恋人でも友達でも、きっとそんな人が一人いるだけで心強いんだろうなって思います。

 この小説の兄弟のように人生に壁はつきものです。しかも、それは、いつ、どんなタイミングで現れるか分からない。その時に、どう対処するのか。それで、人生は大きく変わる。壁をぶち壊して進んでもいい、遠回りをして進んでもいい、必死に登って進んでもいい、どんな超え方でもいいんだ。最終的には、ゴールにたどり着くから。


読んでくださり

ありがとうございました。        龍汰