労働運動の歴史と超学歴社会が生み出したストライキ国フランス

フランス労働運動の歴史

19世紀末、労働者が機械や工場設備などの生産手段を持つ社会の実現を目指した。すべての企業で自発的に労働者がストライキをし(ゼネラルストライキ)て経営者よりも有利な立場へ立つ革命的サンディカリズムといった思想を広めた。革命によって労働者が国家の支配権を獲得し、国家は資本家から有償または無償で生産手段を没収して管理するといった社会主義とほぼ同じであるが、彼らは支配と管理といった従属性が生じないように考えていた。革命的サンディカリズムを奉じる労働運動からは管理を担うのは労働組合とした。しかし戦後のユーゴスラヴィアのように社会主義国になって労働者自主管理といった原則を採用したものの、労働者の管理能力に問題があって経済成長が達成されなかった例があった。労働者の代表の意見が個々の労働者の意見を反映しているとは限らないし、それを交渉の場に持っていけるかどうかも問題であったため。

大学生がストライキをする理由

大学生が劣悪な学内設備に怒って各地でストライキした。これはフランスが極端な学歴主義社会であるため。高卒と大卒者で失業率は3倍も差があり企業での昇進も業績より学歴で決められることが多い。そして大学生は学歴社会で最も有利なわけではないことが原因。フランスではグランドセゴールという高等教育機関があり、国家に奉仕する人材を育成するために設立され、官僚主義的でエリート主義の色彩が強い。理工科学校・高等師範学校・国立行政学院の3校が代表的なもので、在校生には給与が支払われ、卒業生の多くは官僚や研究者、元首相といった政治家になる。高校を卒業してからグランドセゴール進学準備学級に進んで二年間勉強し、そのうえで入学試験に合格すると入学できる。


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