「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る 藤井保文 尾原和啓」読書メモ②

・評価技術が従業員を改善
→ユーザーの満足度により、従業員の給料を増減していくシステム。
公平な仕組みでとても良い。
ユーザー満足度は数値(感覚ではない、応答時間などの実績数字)で評価されるので、わいろが発生することも無く、ごまかしがきかない。
まっとうな評価が溜まっていく。
タクシーの場合は、ユーザーの目的は「安心して素早く目的地に行けること」だが、それと直接的に関わる数字だけを評価に組み込んでいる。
ドライバーにとってモチベーションとなり、好循環になる。

・従業員からすれば、何をどう努力すれば評価されて昇進できるかが明確だとモチベーションは上がるものです。
→まさにその通りなので、企業でできるかぎり取り入れるべき。
ただ、難しいと思うのは給料を上げたい、昇進したい人ばかりでは無いということ。

・基本的には「良いことをし続けると、メリットが帰ってくる」という加点方式なのです。
→これも、心理的安全性を高める上で良い試み。社員はのびのびと働けることが、生産性の向上にもつながる。

・(中国は)実利主義だからこそ、インセンティブ設計をしっかり行い、Win-Winの関係を作ろうとするのです。
→見習うべきポイント。日本では「実利主義=汚い」というイメージを持っている人もいる中で、結果に繋がる取り組みであれば、取り入れるべき。
また、日本は全体的にユーザー寄りの考え方が強いイメージがあるので、ユーザーももっと評価にさらされる方が良いと思う。
「お客様は神様」という考えは、共感できる部分はあるものの、行き過ぎるとまずいと思う。

・平安保険のビジネス
→中核となる金融サービス(保険)を販売するための営業ツールとして、様々なネットサービスを展開した。
営業にとっては顧客接点の一つとなり、ユーザーにとっては満足度向上に繋がるものだった。シナジー効果を発揮している。

・「顧客体験による価値提供でユーザーを集める場を作る」という新たな広告投資の姿
→ユーザーが集まれば、お金は後で付いてくる。
アプリを毎日開かせる理由を作り、開いてもらって、企業側が見せたい広告を出すことで、マネタイズにつなげていく。
ユーザーが集まれば何でも良いのではなくて、シナジー効果が期待できる内容でないといけない。

・「すぐに売上につなげるのではなく、平安保険を好きになってもらい、ずっと寄り添うことを重視する」
→ブランディングの一環としての取り組み。ユーザーとの信頼関係を築くことが大事。

・保険商品の微細な違いを理解できるユーザーはほとんどいない
→その通りだと思っていて、そもそも保険はめんどうくさい、複雑なものというイメージがある。
分かりにくいから、誰かに任せたい。信頼できる人、サービス、店に判断を委ねたい。楽だから。

・デジタルと行動データを駆使して最適なタイミングで最適なコミュニケーションを取れるようになり、全体的な営業工数や負担はむしろ減り、効率化されます。これによって空いた時間は、より信頼を創るコミュニケーションに充てることで、ユーザー側にも企業側にもメリットがある仕組み
→人の仕事を減らすためのデジタル化ではなく、人の「無駄な」仕事を減らすためのデジタル化にすることが大事。

・スニーカー(商品)自体がいいモノであることはもちろん重要で・・・継続的な価値提供を融合して初めて寄り添い型になる。
→デジタルによる継続的な価値提供の中でユーザーの行動データを取得して
、その行動データを生かしてサービスを改善する。

・モバイルやIoT、センサーが偏在し、現実世界でもオフラインが無くなるような状況になると、「リアル世界がデジタル世界に包含される」という図式に再編成されます。こうした現象の捉え方を、私たちは「アフターデジタル」と呼んでいます。
→デジタルありきで考える。冒頭であった、主従関係の逆転の話の繰り返し。この逆転の考え方を持つことが大事。

・企業側からすると、(デジタルによってい)ユーザーとの接点が急激に拡大し、リアルの場所は「密にコミュニケーションできるレアな接点」になると言えます。
→オンラインが主ではあるものの、オフラインに価値が無くなるわけではない、むしろ(希少)価値が高くなるという考え方。

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