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関係の土台と言葉

医師と患者が対話するとき、それまでに作ってきた関係の土台に乗らない言葉はなかなか思いつかない。仮に思いついても、口に出せない。たとえ口に出しても、その言葉は届かない。

それは初診でも同じだ。
最初の挨拶から、いや、挨拶をかわす前の、出会った瞬間から関係は始まる。

医療に助けを求めてきた人に必要な言葉を届けるためには、それを口に出すためには、思いつくためには、まず関係の土台がなければならない。

ごくたまにではあるが、依存症や引きこもりで初めて受診する患者さんを連れてきたご家族から、

「先生が言えば聞くと思うんです」
「先生から、ガツンと言ってくれませんか」

などと求められることがある。

関係の土台がなにもない状態で言えることなど、思いつかない、口に出せない、届かない。

逆に、土台があれば、「沈黙」さえも「言葉」になる。


土台を、意識しよう。

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