焦らなくていいんだよ。と言われれば言われるほど、焦燥感に駆られるあなたへ
自分を良く見せたいという気持ちが焦りを生むのです
今思い返しても、何この上から目線…? と思うこのセリフ。
入社1年目のころ、採用サイト用にインタビューされて掲載された文言である。(多分、就活生に向けてひとことみたいな文脈だったと思う)
「そんなこと言った覚えないんだけどな…」と思ったけれど、一応自分で言ったことになっているし、私はこの言葉に何度も助けられてきた。
名言なのか、迷言なのか、それはさておき。
思い返してみると、「自分が」と前に出ることよりも、「誰かのため」「何かのために」頑張る方が、喜ばれるし、結果が出ることも多かったように思う。
一方で、「よく見られたい」「いい人だと思われたい」「嫌われたくない」「失敗したくない」という気持ちもすごくあって、それは気を抜くとすぐにむくむくと顔を出す。
例えば、つい最近だと突然イベントのファシリテーション役になり、失敗したくないあまりテンパり噛みまくってしまった(リハでよかった…!本番は無事乗り切ることができた)
2020年、私はずっと焦っていた。コロナという突然の環境の変化、慣れない在宅勤務に、あたらしいふつうを模索すること。
「言葉の企画」に参加したことも、その焦りの表れの一つだったのだと思う。(余談ですが、「言葉の企画」と同時並行で「お店の学校」という講座にも参加してしまい(お店をやる予定も今のところないのに!)、明らかなキャパオーバーにひーひー言っている。)
何がそんなに私を駆り立てたのか。
もうすぐ40代になろうというのに、何者でもないこと?
本当にやりたいことって何なのか、いい大人なのに未だにわかってないこと? そのくせ、子どもの進路についてやきもきしてしまうこと?
外出制限された閉塞感から衝動にかられて?
・・・こう書くと恥ずかしいのだけれど、致し方ない。
そうして、あれもこれもと欲張って取り組んでみた結果、
9月になって、心も身体も悲鳴を上げた。
いつもイライラしていたり、突然家族に八つ当たりしたり。
「自分ばっかり」という思考に落ち込んでいき、思考力もどんどん低下していくあの感じ。
たとえるなら水深5メートルぐらいのプールに少しづつ沈んでいくような感覚。
あ、このままだとやばい。
そして、この感覚を私は知っている。
10年前、産後うつになった時のことだ。
産後1か月、里帰りしたものの、実家に母親とずっといるのが徐々にしんどくなり、早々に自宅に帰宅したのち、しばらくはホルモンの影響で万能感に満ち溢れていた。しかも育休中で休んでいるだけだし…と思って、家事にも精を出していた。ちゃんとしなきゃ、とひとりで張りきってしまっていた。
が、ある日突然起き上がれなくなり、しかも支離滅裂なことを言い出したので、こりゃやばいと家族に強制的に心療内科に連れていかれた。
(振り返ってみると、母乳をあげていたからカロリー取らないといけないのに、全然食べてなくてどんどん痩せていっていた。体形だけならもう一度あの時に戻りたい・・・)
幸い大したことはなくて、先生と喋っていても何も本音が話せる気配がなかったのでさっさと診療内科通いはやめてしまったけれど、薬のせいで強制的に卒乳させてしまったことは罪悪感が残った。
その時も、ちょうど夏の終わりで、台風が接近していた。暑い日が終わって、溜まっていた疲れがどっと出たり、ひんやりした空気に寂しさを感じたり。そういった小さなことの積み重ねだったのだと思う。
もし、同じような状況にある人がいれば、すべて投げ出していいから、とりあえず戻っておいで!と言いたい。そして、たくさん寝て、あったかくて美味しいものを食べよう。とろっとして、まったりしたやつ。何だろう? クリームブリュレとか、茶わん蒸しとか、そんな感じのやつ。
焦ることは、悪いことじゃないと思う。
理想と現実のギャップを埋めたいという気持ち、向上心。
だがしかし、やみくもに走り回っても仕方がないことはすでに散々学んでいたんじゃなかったか。そして、できないことじゃなくて、できたことに目を向けよう。自分で自分をほめてあげよう。それでも足りなければ、周りの人に泣きつこう。別に何もできなくたっていいじゃない。
人生100年であれば、まだ半分も終わっていないよ。太く短く生きるタイプじゃなくて、細く長く、欲張りに生きたいタイプでしょう。そう思えば、今はまだ第一部も終わっていないんじゃない?
おまけ
そんなささくれ立ったというか、全然動かなくなった気持ちを揺り動かしてくれたマンガ。
インテリヤンキーが藝大入学を目指すマンガ。面白いよ!と聞いてはいたものの、なんとなく手を出せずにいたのですが、見事にハマりました。
「あれ、私何がやりたいんだっけ…?」と道に迷っている人におすすめしたいし、シンプルに面白いです。(あとアルフォートのキャンペーンやってる)
おわりに
今回のテーマ「あの感情に今、名前をつけるなら」。
あの感情、と言われて、どの感情を扱おうか悩みました。
普段、特にプライベートでは自分の気持ちを言語化したり分解せずにそのまままるっと取っておいて、時々取り出すのが好きです。
あと、昔の日記やもらった手紙を読み返したりするのも好き。
(感傷的になりすぎてしまうので、日常的にはできないのですが)
多分、私はこれからも、しょっちゅう焦って空回りすると思います。
でも、そんな時、少しでいいから俯瞰して「あ、今、より良くあろうと頑張ってるんだな」と思えれば、ずっと気持ちが楽になることも知っている。
過去の私と、未来の私、同じような気持ちを抱えている人に届けばいいなと思って書きました。
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