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【考察】ブクログをデータベースとして活用する

以前書いた記事に関連して、というよりは、好みで使い分けるのがよいとした上掲の結論部分を、全面的に書き換えようと思うに至りました。つまり、読書メーターとブクログは、そもそも使用する目的が異なっている。したがって、2つはどちらか一方という排他的なものではなくて、「併用」することがあり得ると考えるに至りました。

大ざっぱに言うと、

読書メーターは「SNS」であり、ブクログは「データベース」である

ことを意識して使うのがよいというのが、現時点(2021/08/17)での私の考えです。以下、このことについて述べていこうと思います。

ブクログを「データベース」として使うメリットは?

①多様な観点からの検索結果を得ることが可能です。
②自分が何を読みたいか、読もうとしているかを確認できます。

読書好きにとっての「課題」「難問」はいくつもあると思います。それらを整理してみると、問題の根源は、本の点数はあまりに多く、それらを十分に読もうとするのには、あまりに人生は短いということに行き着きます。

これに抗おうとする場合、いくつかアプローチ方法はあると思います。例えば読むスピードを向上させて、たくさんの本を読むこと。しかしこれには、「速くたくさん読む」こと自体が目的に転化してしまう誘惑が、常につきまといます。私は明確に「遅読派」なので、ほとんど速読ということには関心がありません。

そうした、量に換算される「生産性」よりも重視したいのは、より「たしかに」本を読むということです。この「たしかに」には、いくつかの側面が含まれますと思います。

①読んでいる本の内容を「たしかに」読み取る
②読み込んだ内容について「たしかに」活かす
③自分に必要な本を「たしかに」選ぶ

さしあたって、これらを挙げておけばよいと思います(が、これ「だけ」ということではありません)。

この小論では、③の「たしかに」選ぶということについての考察をしていこうと思っています。ただし、いずれ機会を捉えて、自分に活かすため「たしかに」読むという点についても考えをまとめてみようと思っています。

先取りして言うと、「たしかに」選ぶということは、すなわち自分を「たしかに」知ることが条件になります。あるいは、自分が何を望み、何を欲してきたのかという、自分の欲望のありようを「たしかに」知ることが必要になると考えています。

そのための有効な方法が、本についての情報を書き出したり登録したりして、それを一種のデータベースとして使うということになります。私の考えは、ネットサービスの「ブクログ」は強力なツールとして「自分を知る」「自分の欲望のありようを知る」ことを支援してくれるというものです。

つまりブクログを使うと、

自分が何を欲望しているのか、知りたい・読みたいと思っているのかがわかるようになる。

このことが大きなメリットであって、そこを足がかりとして「たしかな読書」が始まるということをお伝えしたいと思っています。

はじめは読書メーターからだった

メンタル疾患のため、長く読めなかった時期がありましたが、幸いにして再び読めるようになりました。若い頃は、読書についての記録をとっていませんでしたが、何かの拍子に、ネットで記録をしていきたいと考えて、2010年から「読書メーター」を使うようになりました。

これはとても優秀なサービスだと思います。でなければ、10年以上も継続して利用することはなかったはずです。この読書メーターの特徴を一言で言おうとすると、「読書を介して人とつながりあうSNS」だろうと思います。

ブクログ利用を着想

しかしながら、全く不満がないわけではありません。読書についての記録を残し、他の読者との交流をしたい場合には、読書メーターは極めて強力なツールであると思っています。ただ、今までに自分がどういう本を、どんな風に読んでいたのかを知ろうと思ったとき、少し弱いなと思うのです。

例えば、購入して積んでおいた本、あるいは、読みたいと思っていた本などから、では今日は何を読もうかなと思った場合での動機づけを支援するという点では弱い。つまり、自分がどんな本に関心を持ってきていたのかということを、登録されたデータから読み込めるとは、あまり思えないのです。

それは私が、Kindle専用端末上で「蔵書」を管理しているからかもしれません。Kindleでは、表示スペースが狭いこともあって、本の表紙はもちろんのこと、そのタイトルであっても一瞥できるスペースが狭いのです。そこから、読みたい・買いたいと思った本については、表紙の画像が表示されやすいブクログでの管理をしようと思い立ったのです。

ブクログでの管理を始めてみて

そうして私は、2021年3月16日に『お探し物は図書室まで』を1冊目として、これから読みたい・買いたい本をブクログで登録しました。それ以来、少なくとも131冊を「読みたい」「買いたい」本として登録してきています。

何で131冊と特定できているかというと、「読みたい本」であることを検索対象として検索結果を表示できるからです。その検索結果を時々眺めることで、自分にとって読みたい本が何であり、読むのを先送りしたり、あるいは読まずに済ませるべき本が何であるかが、自然とわかってきます。

ブクログの強みは、様々な検索条件を指定して、即座に結果を表示できることだと思います。例えば、

・自分が手元に置いている本には何があるのか
・特定の著者の本には何があるのか
・高い評価あるいは、低い評価をした本は何か
・読みたい/積読/今読んでいる最中/読了のそれぞれについて、どんな本があるのか

などは、予め登録しておけば即座に検索結果が得られます。

また、自前の「カテゴリー」「タグ」を設定できるので、得たい検索結果を想定した上で設定しておけば、より強力な検索ツールとして使用できます。例えば、どの電子書籍で購入したのかを分けて管理したい場合、それをカテゴリーとして設定・登録しておくと、検索結果が得られます。あるいは、何年何月に買ったものかを、タグとして登録すると月別の購入リストが表示されるということになります。

以下は、検索の対象となるものの一例です。なお、「カテゴリー」と付記したものについては、利用者が任意で設定するものです。

・読書のステイタス(読みたい/読んでる/読了/積読、のいずれか)
・所有形態(紙の本/電子書籍/オーディオブック/図書館本、など)→カテゴリー
・電子書籍の購入先→カテゴリー
・開架か、閉架か→カテゴリー
・著者名
・作品名
・評価(☆の数として)

この他にも、別途「タグ」を設定して検索対象とすることができますが、私は利用できていません。「購入月」「ジャンル」等を設定できるかもしれません。

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まとめてみると、本を「たしかに」読むためのデータベースとして「ブクログ」は適しているということです。

今後、ブクログと表計算ソフトを使った、「読みたい本」「読むべき本」の抽出と決定についての試案を、別noteとして公開したいと思っています。

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最後までお読みくださりありがとうございました。予定していたものの、全体が長くなったために先送りした項目については、近々にまとめたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。それでは!


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