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【読書から】小池陽慈『14歳からの文章術』~抜書きを中心に~

ブログとnoteとの間をうろうろしていて、再度noteの再開宣言をしたあとでの読書の記録を、単一の著作で公開するのはこれが最初となります。今回は7月24日から8月13日にかけて読んでいた、小池陽慈さんの『14歳からの文章術』を取り扱います。

私は読書論や文章論の類を読むことを好んでいると思っていますが、数冊読んできた文章論としては、「出色」の域に達しているものと考えます。今回の記事では、本文で取り上げられていた16の「文章作法」の抜書きをいたします。この内のいくつかだけでも覚えていられると、確実に文章力が向上すると思います。
※①から⑯をふっているものが、16の「文章作法」です。

【第1部・構成編】

1)論理的な文章って?

①原則として、一つの文章で扱う〈話題〉は一つ!
②〈話題→論拠→主張〉という構造(=論理)を踏まえる!
③文章は、まず最初に〈主張〉を決定してから書く!
④指定字数をクリアするためには〈論拠〉に厚みを持たせよ!
⑤〈一般論/主張〉の対比を用いると、〈主張〉がより明瞭になる!
⑥〈論拠〉は複数用意する!ただし、一つ一つを詳しく書く!
⑦〈論拠〉と〈主張〉の間に〈論拠〉の内容をまとめた〈抽象〉を置くと、文章の〈首尾一貫性〉が向上する!

2)説得力のある書き方とは?

⑧〈論拠〉はできる限り具体的に記述せよ!
⑨[学術的・公共的な文献や資料]を用いると、〈論拠〉の普遍性・客観性は当然高くなる!
⑩文章を書き起こす前に、必ず〈構想メモ〉を作成し、チェックする!

【第2部・表現編】

1)文の書き方

⑪一文はあまり長くせず、短文(長くとも50字程度)を目安にする!

2)接続表現を使いこなそう

⑫接続表現の用法はきちんと理解し、正確に運用する!
※石黒圭『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)参照。

3)指示語を使いこなそう

⑬指示語の適切な使用は、文章を読みやすくする!

4)レトリックについて

⑭レトリックは、ここぞという箇所以外では、なるべく使用を避ける!

5)言葉をたくさん知るということ

⑮語彙は表現力の要。「意味調べノート」を作成し、たくさんの言葉を自分のものとする!

6)読書のススメ

⑯読書=書くことの土台!

【私的なまとめ】

上掲を転記しながら考えていたのは、この著書の主旨とは、論理的で説得力のある文章を書くための留意点を提示することにあったということです。決して、「うまい文章」を書くための留意点ではない。

私は、「うまい文章」と、「論理的で説得力があり」「わかりやすい」「誤解・誤読の余地が少ない」文章は、別物であると考えています。もちろん、その2つを兼ね備えている文章を書く人はいることでしょう。しかし、他ならぬ「この私」が文章を書くのに際して、できること、心がけるべきことは何かというと、小池さんが提示した16の文章作法のように成るだろうと思われます。

人に何かを、「書く」ことを通じて伝えたい、伝えることで「つながり」相互に「理解」しあいたいことが、もしあるのなら、いきなり文を書き起こすのはよくないかもしれません。より「おいしい調理法」があることを知っておくだけでも、有益なんだろうと思っています。小池さんのご著作は、そんな「調理法」の一つであったと私は思いました。オススメです。

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。今回は以上とさせていただきます。ではまた!



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