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ラジオ番組「101分目からの『100分de名著』」を聴いて①

こんにちは。

昨日(23/05/04)8:05からと9:05からの2回に分けて、NHKラジオ第一放送で「100分de名著」関連の特別番組「101分目からの『100分de名著』」が放送されました。今回は、それを聴いた感想を書き連ねていこうと思います。

一部地域の放送では、「交通情報」が割り込んでいたようですが、らじる★らじるの聞き逃し配信では、それはかぶさっていません。むしろ、聞き逃し配信をお聞きになるのがよいのではないかと思います。配信は、5月11日まで聴取可能とのことです。

出演者(敬称略)

司会・聞き手

若松英輔(批評家・詩人)
島津有理子(元・100分de名著司会アナウンサー)

アシスタント

秋満吉彦(番組プロデューサー)

ゲスト

安田登(能楽師・作家)
中江有里(俳優・作家)
斎藤幸平(経済思想家)

安田登さん

『平家物語』『太平記』の講師を担当され、今回は「あわいの時代」を巡り、縦横に語ってくださいました。

なお以下の①等の数字は、このnoteの起稿者が便宜的に割り振ったもので、語られた順序や重要度ということではありません。お含みおきください。また、「だ・である」体については放送内容をまとめたものであり、「です・ます」体については、放送の「感想/意見」として、起稿者が書いたものとなります。

①現代は「1000年単位」での「あわい」の時代

  1. AIが普及しつつある現代は、1000年スパンでの大きな「あわい」の時代と言える。前回の「あわい」は、文字を獲得したことで訪れた。今回のは、それに匹敵する大きな変化。

  2. 「あわい」とは、二つの事象の「あいだ」ではなくて、それらが一部、重なり合いつつ移行しているような状態のこと。

  3. 文字を獲得することで、過去・現在・未来がつながった。しかし、文字の「最終進化形態」と考えられるAIは、その「時代」の終焉を予期させるものである。「ポストAI」時代を構想することが大切。

  4. 渦中にあっては、「今」があわいにあるとは自覚できないし、もがくとかえっておぼれてしまう。もがかない方がよい。

②「おかし」とは、「奥から」呼ばれているということ

  1. 「好き」「おもしろい」ことは大事だが、それには、向こう側から「呼ばれて」いるという側面もある。

③(質問に対して)一書ではなくて「二書」は、聖書と論語

  1. 説教臭くて、嫌だった論語も、聖書と重ねて読むとよかった。

  2. 聖書は、イエスの言葉の部分だけ、線を引いて抽出して読んだ。「キリスト教」は好まないが、イエスはすごい人だった。

中江有里さん(前半)

北條民雄著『いのちの初夜』を担当。俳優業とともに、小説家・歌手としても活躍。

①精神のリレー

  1. 学生として論文に取り組んだ10年前と比べても、新しい事実が確認されてきている。また、『いのちの初夜』自体が再刊された。このタイミングで、番組で解説担当のオファーがあったのは、まさに「リレー」だった。

②中江さんは「読める書き手」として、稀有な存在(若松)

  1. 読まれることによって、作品は完結する。中江さんはそうした「読み」ができる、稀有な書き手(若松)。

  2. 以下、「私見」となります。「読む」というのは、受動的な行為なのではなくて、むしろ積極的かつ創造的な行為であると、常々考えています。受け止められること(=読まれる/聞かれる)によって初めて、その姿が現れると思うのです。

  3. 仏典が「如是我聞(にょぜがもん)」=「かくのごとく、われ聞きき」で始まることを想起してください。師匠であるブッダの言葉を、弟子である私は、確かにこのように聞いた、ということから始まっているのです。


番組前半については以上といたします。別途、後半についても②としてご用意する予定です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。それではまた!


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