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本のソムリエ(仮)②~⑤

先般、「本のソムリエ(仮)」を継続したいです。という記事を掲載いたしました(下掲)。

その後になって人に本を紹介する機会を得たので、プライバシーに配慮した上で、それらの本について記事を書いてみようと思います。

②平野啓一郎『私とは何か』 講談社現代新書

◎ご相談:容姿についてコンプレックスがあります。人から強面と言われてしまいます。

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嫌いな自分を肯定するには? 自分らしさはどう生まれるのか? 他者との距離をいかに取るか? 恋愛・職場・家族……人間関係に悩むすべての人へ。小説と格闘する中で生まれた、目からウロコの人間観!

個人が「分けることができない」最小の単位ではありません。その時々や場面場面に応じて表出される「分人」のセットが個人であり、そう考えた方が、行きやすくなるというのが平野さんの提言であると考えます。

アイデンティティが単一のものであるとするならば、どのような状況であっても、その単一のアイデンティティが表出が求められてしまいます。いつ、どのような状況であっても、その固定したアイデンティティというものを出さなければならないというのはプレッシャーがかかるのではないでしょうか。

繰り返しますが、その時々に応じた個別の「分人」を表すことの方がよろしいのではないでしょうか。

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③出口治明『人生の教養が身につく名言集』 三笠書房

◎ご相談:夫と息子がしばしば対立してしまって困っています。

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「図太く」生きる。「賢く」生きる。「面白く」生きる。
ビジネス界随一の読書家が厳選。人生の達人たちの「処世訓」
ビジネス界随一の読書家が、古今東西の名作、名著の中から「人生の教養が身につく名言」を一挙紹介!
「名言」とは、教養を一言にシンボライズしたもの。歴史の風雪に耐え、今の時代まで生き抜いてきた「本物の知恵」、
それが名言なのです。そこで語られていることは、あらゆる人生の「本質」を突いている――。

実際のページから引用をいたします。

相手に多くを期待しない
「世界は偉人たちの水準で生きることはできない」 フレイザー『金枝篇』
→「部下の30%の力をまず33%にする」のが上司の仕事

相手に完全を求めるのではなく、数パーセント程度のパフォーマンス向上で良しとすること(上記では1割の向上ですが)で、自他ともを「赦す」「満足するよう努める」ことも大切なような気がしています。

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④ミヒャエル・エンデ『モモ』 岩波少年文庫

◎ご相談:心を平静に保ちたい。

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町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。

エンデの『モモ』は、時間泥棒との戦いを経て街を救う後半部分がつとに有名ですが、ここでは前半をご紹介いたしました。

モモは、「聴く力」を持っていますが、そのことを自慢はもちろんのこと、自覚さえしていません。

例えば、諍いを起こしている大人たちが2人でやってきて、モモの前で、やれお前が悪い、あんたがこう言ったからだと「議論」をします。しかしモモは何もせずに話を聴いているだけ。そうしていると、不思議なことにその2人は仲直りをしてしまうのです。これは、今風に言えば傾聴やカウンセリングにも通じるものだと考えています。

心の平静を乱すものは何か、そのことで発せられる「内なる声」に耳を傾けてみることは大切なのではないか。ご自身の「解決力」の発動を信頼してみてはいかがかと申し上げてみました。

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⑤荻原浩『明日の記憶』 光文社文庫

◎ご相談:家族に認知症の兆しが見受けられるようになって不安である。

◎おすすめ本: 

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広告代理店営業部長の佐伯は、齢(よわい)五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。けれども彼を取り巻くいくつもの深い愛は、失われゆく記憶を、はるか明日に甦らせるだろう! 山本周五郎賞受賞、映画化もされた感動長編。

実のところ、この作品は映画化されたものしか見ておらず、またご相談内容もご当人でなければわからないこともある、重大な問題です。簡単に寄り添えるものではないと考えました。ごくごく些細なヒントとして、記憶だけを頼りに、この作品を紹介させていただいた次第です。

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今回は4作をまとめてご紹介をさせていただきました。何かの参考になったのかはわからないし、その自信もありません。自己満足に過ぎないかもしれませんが、とどめおきたいという気持ちもあってnoteを作成しだ次第です。お許しをいただければ幸いです。



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