森美術館『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』
先日は、社会派ブロガーちきりんさんのXでの投稿をみかけ、
気になっていた展覧会だったので、六本木の森美術館におもむきました。
私自身は、頻繁に森美術館を訪れるわけではないのですが、1人の現代のアーティストを大きくフィーチャーしていることで、かなり注目されているアーティストなのだなと思いました。
ブラック・イズ・ビューティフルや近年のブラック・ライブズ・マターなど近年の主張、流れを反映しているからなのでしょう。
アーティストのシアスター・ゲイツは、日本の民藝運動に興味を持ったということでした。アメリカでの公民権運動とのシンパシーを感じたのだそうです。公民権運動と民藝運動の共通点は、名もなき一般市民が生活の向上(差別への抗議)を求めて戦っているということでしょうか。
シアスター・ゲイツさん自身が、建築物やコミュニティーをデザインしていることもあって、展示の空間にも工夫がされていたように思いました。煉瓦が床に敷き詰められていたり、対面型ソファで、黒人コミュニティ向け雑誌が読めるようになっていたり、オルガンやスピーカーがおいてある空間は教会のベンチのようになっていました。
陶芸だけに限らず、ビデオ・インスタレーションや音など、作品のフォーマットは自在で、それらが、全てアーティストの主義主張の上に成り立っているという感じでした。
六本木という土地柄、展覧会の内容に関連して、訪れている人も国際的でしたね。
タイトルにもある「アフロ民藝」は、キャッチコピー的な要素が強く、最後のバー、ディスコのような空間の演出は、ポジティブさ満開な雰囲気でした。
私はアジア人/女性として、日本にいると気が付かないけれども、日本の外に出ると、アジア人/女性という時に差別の対象であり、世界の中ではこういった主張をすることも必要なのかな、と長年日本にいるせいでぼんやりと感じた展覧会でもありました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?