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「本屋応援チャンネル」にお招きいただきました。(午郎’S BAR 12杯目)


5月末からYoutubeの「本屋応援チャンネル」が始まりました。このチャンネルは前回取り上げさせていただいた「2028年街から書店が消える日」の著者、小島俊一さん(元明屋書店社長)が、この本に登場する30名弱の出版業界関係者と1対1で10分強対談する番組で、私は第7回目のゲストとしてお招きいただきました。お時間ありましたら是非視聴いただけると幸いです。

今回はこの番組でお話ししたこと、時間の制約でお話しできなかったこと、そして番組の裏話を書かせていただきます。

今回お話ししたことをまとめると
*近藤午郎の略歴とそれについての質疑応答(主にDNPとの提携事業)
*ほとんどの書店は「本」業で黒字化できていない
*経産省の書店振興プロジェクトで言われている「魅力ある書店作り」も重要だが、出版業界の構造を改革しないと意味がない
・事前予約
・見計らい配本の是非
・書店への納品スピード
*取次への要望
・まだまだできることはたくさんある
・一方で書店と出版社の本来行うべき業務の肩代わりはするべきではない
こんな感じです。
「2028年街から書店が消える日」で私のパートは主に書店外商、書店の合従連衡でしたが、そのベースは前述の「ほとんどの書店は「本」業で黒字化できていない」にあり、小島氏との話も常にこの部分と、出版業界の仕組みの改善についてに自然となる傾向にあります。


5月22日発売「街から書店が消える日」(プレジデント社)

時間の制約でお話しできなかったことは、出版業界の正味改善と再販制度の是非、そしてこれからの出版業界の取るべき方向性(仮説)です。
10分強の番組でそれを全部お話しできるわけもなく、また、文章にしても相当な分量が必要になるので、当たり前と言えばそうなのですが。
これは今後この午郎’S BARで少しずつ書いていきたいと思います。
それだけ小島氏の「2028年街から書店が消える日」に書かれている内容は、今までこうした書店に関わる出版物ではあまり触れられていない部分をしっかり押さえている部分で価値があると言えるでしょう。

ここからは裏話の部分です。このチャンネルの収録は約1時間。過去のゲストの際はどうであったかは不明ですが、小島氏から予め台本などはまったく渡されておらず「本に関わる部分で好きなことをしゃべってください」との事前連絡のみ。
私もYoutubeチャンネルに出るのは初めてですから多少緊張しながら小島氏からの「フリ」を待ちます。
今回公開されているものは「テイク2」。この前の「テイク1」が存在します。テイク1は合計15分以上になってしまいました。小島氏から「ちょっと長いからテイク2行きましょう。皆さんだいたいテイク2まで行きますヨ」と言われて臨んだテイク2。
当然同じ質問、同じ構成でくる、と思っていた私。しかし小島氏からの質問はなんとテイク1とは全く違う内容。アドリブで話すのが苦手ではない私でもさすがにいろいろ言葉を選びながらしゃべる始末。
終了間際の「では最後に取次へのご意見をください」という質問は正直想定の斜め上どころではないほどの「くせ球」でした。そう言った意味で大変な収録を経験させていただきました。小島さん、ありがとうございます。お陰でボツのテイク1の内容、ほぼ憶えていません。

書店を含めた出版業界はかなりの危険地域に居ます。大きな取組、小さな取り組み、それをちゃんとまとめる役割。我々は自分達にできることを確実に実行することと、頭の中だけで留めておかない努力をしなければなりません。

午郎’S BAR11杯目
「Old Parr 12年」Blended Scotch Whisky
あの田中角栄が愛した銘柄。我々業界も彼のような「コンピュータ付きブルドーザー」の存在が求められてます。