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【保存版】2022年に読んだ本から選ぶおすすめ本 5選

はじめに

今年も沢山の方にpodcastを聞いていただき、ありがとうございました。今回は2022年に買った本から選ぶおすすめ本をまとめてみました。
関連するPodcastの収録回も本記事の最後にまとめて紹介していますので、年末年始のお供としてぜひお聴きください!

1. 『デジタルテクノロジーと国際政治の力学』(塩野誠)

最初にご紹介するのは事業戦略立案やM&A実行支援を行う経営競争基盤の共同代表である塩野誠さんが書かれたこちらの本です。特に普段デジタルテクノロジーやIT業界に働いている人にとって、ご自身の仕事がいかに国際政治とも結びついているのかや「デジタルプラットフォーマーが超国家的なパワーを持ちつつある中で、自由競争は可能なのか?」などに少しマクロな要素いとの繋がりを考えるきっかけを与えてくれます。

 デジタルプラットフォーマーは検索、メッセンジャー、マーケットプレイスなどのインターネット上でユーザ側に何らかの「場」を提供している、一方、企業側には広告出稿の機会を提供するなどして、いわゆる両面市場を形成している。そして、デジタルテクノロジーが可能にした高速かつ効率的な需給調整、規模の経済の確立、極めて低い顧客獲得のための限界費用、間接・直接ネットワーク効果により、デジタルプラットフォーマーは独占、寡占化を進めて収益を得ている。

『デジタルテクノロジーと国際政治の力学』(塩野誠)


2. 『現代思想入門』(千葉雅也)

デリダ、ドゥルーズ、フーコーの3人の現代思想を代表する哲学者に触れてから、ラカン、メイヤスー、フロイト、マルクスなどにも触れた一冊。
まさしく、現代思想の入門としてわかりやすくまとめられています。
そして、「差異」という概念に一種の救いが見出されるかも。

そんな彼らの一端を理解できるのは本当にありがたい本です。ちょっと理解した気持ちになれます。すごい。原著の読み方のハウツーも載っていますよ!(実践するのは難しい!)

現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。

『現代思想入門』(千葉雅也)

実は、こちらの配信回が今年一番聴かれました。今年話題の新書のひとつ。ぜひお聴きください。


3. 『何もしない』(ジェニー オデル)

テック企業が注意関心を貨幣のように取引する現代社会への最大の抵抗に対する解決策を提示している本書。著者のジェニー・オデルによるとそれは「何もしないこと」である。

何もしないことによって、何か別の対象にゆっくり時間を使うことができる。この本を読んで私も、外に出る時無意識に手持ち無沙汰になり、Spotifyで音楽を再生するのをやめました。そうすることで、地面を蹴る音や風の強さを体感するようになり、ゆっくりとした季節の変化に気づけるようになり、心が穏やかな時間が増えたような印象です。

「何もしない」とは、まず注意経済から身を引くことであり、その後歩何か別のものとのかかわりを持つことだ。「何か別のもの」とは、ずばり時間と空間のことであり、注意のレベルでは、そこで私たちが出会えるのはいちどきりしかない可能性がある。

『何もしない』(ジェニー オデル)


4. 『世界インフレの謎』(渡辺努)

今年もさまざまな出来事がありましたが、その中でも世界的なインフレは記憶に新しいのではないでしょうか?そして、円安ひいてはそのきっかけとなっていると考えられている世界インフレの原因と日本への影響についてかなりわかりやすくまとめているのが本書「世界インフレの謎」になります。

最近の世界のインフレ傾向が、ロシアが2022年2月24日に開始したウクライナ侵攻によるエネルギーの高騰、穀物の高騰のためとする報道に疑問を持っておりました。これについて本書はきっぱりと否定します。なぜならインフレは2021年春から既に始まっていたからです。

『世界インフレの謎』(渡辺努)


5. 『戦争体験ーー 一九七〇年への遺書』(安田武)

学徒出陣の中で、終戦を迎えた戦中派の安田武による戦争体験論。1963年に書かれた本の文庫版が出版。「絶望的な」戦争体験の語りがたさについては、現代の日本への大きな「遺書」にもなっている一冊です。

そして、コロナ禍での経験も、それぞれの人、世代によって見え方は大きく違います。それぞれの「体験」を他者が評価するのではなく、当事者自身がどう語りうるのか、についてもこの本は問いかけます。

戦争体験の伝承ということ、これについては、ほとんど絶望的である。ぼくは、戦争体験に固執し、それについて、ブツクサといいつづけるつもりであるが、それを次代の若者たちに、必ず伝えねばならぬとは考えていない。最近どこかの座談会で、「それを受けつぐか、受けつがないかは、若いゼネレーションの勝手たるべし」と発言していた竹内好の言葉に、ぼくはぼくなりに、全く感動的に共鳴するのである。

『戦争体験ーー 一九七〇年への遺書』(安田武)

年末の配信でも紹介しています。(16:16頃から)
実は、こちらの配信回が今年一番聴かれました。今年話題の新書のひとつ。もしよろしければ、お聞きください。

来年も新しい本との出会いを

2023年もBook Clubでは、さまざまなジャンルの本を紹介していきます。
皆様、来年もどうぞよろしくお願いいたします!


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