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海外マンガ情報誌「モリマチ。」Web版 海外マンガTOPICS―2024年7月

書肆喫茶moriの店主が気になった海外マンガのニュースをご紹介する「海外マンガ情報誌「モリマチ。」Web版 海外マンガTOPICS」。
本記事では2024年7月のニュースをご紹介します。
バンド・デシネ翻訳者の原正人さんとやっているポッドキャスト「海外マンガRADIO」では、ここで紹介していない海外マンガに関するニュースについてもお話していますので、よかったらこちらもご覧ください。


海外マンガ『NO/NAME』がジャンプ+で新連載

Rafal Jaki(ラファウ・ヤキ)作、MACHINE GAMU(マシーン・ガム)画のマンガ『NO/NAME』が7月31日からジャンプ+で新連載がスタートすることが、7月1日に明らかになった。シナリオのラファウ・ヤキ氏はポーランド出身で、Netflixアニメサイバーパンク: ヴァンガード ランナーズ、ゲームサイバーパンク2077」「WITCHER 3: WILD HUNT、そしてコミックWITCHER RONINのクリエイター。
『NO/NAME』はもともと集英社の海外クリエイター向け投稿サイト「MANGA plus creators」で掲載され「Monthly Awards」最優秀賞を受賞、読み切り版がジャンプ+で掲載されたときに読んですごい面白いと思った作品です。新連載も楽しみです。

以下、山田ルカさんの記事に詳しく紹介されています。

なお当店のYouTubeライブでもこのあたりのお話をしていますので、よければご視聴ください。

7月31日に読み切り分だった1話と、続きの2話がジャンプ+で配信されました。

再リブート版映画「Hellboy: The Crooked Man』の予告編が公開

7月1日、『ヘルボーイ』再リブート版映画の予告編が公開された。本作は、邦訳もあったヘルボーイ:捻じくれた男を原作とする映画。日本公開はもちろん全米公開予定もまだ不明。続報を期待。

イタリアの漫画家イゴルトのYouTubeチャンネル発見

ウクライナ・ノート』『ロシア・ノートの邦訳のあるイタリアの漫画家イゴルトがYouTubeチャンネルを開設していたことを、翻訳者の栗原俊秀さんの投稿で知った。イタリア語ではあるものの、ユーゴ・プラットやセルジオ・トッピなどのイタリアの漫画家はもちろん、日本のマンガやアメリカのスーパーヒーローコミックなど多岐にわたってお話されている。

オンラインイベント「海外マンガ勉強会#2」開催

7月2日に、バンド・デシネ翻訳者でサウザンコミックス編集主幹の原正人さんによるオンラインイベント「海外マンガ勉強会#2」が開催された。世界のマンガの歴史と特徴に関する大まかなご紹介と、参加者による雑談トークが繰り広げられた。第3回は8月6日(火)開催予定。

ドイツのオタクカルチャーイベント「Dokomi」のイベントレポ公開

7月8日、北米のマンガ事情に関するニュース記事を書かれているlibroさんが、ドイツ・デュッセルドルフで6月28日~30日にかけて開催されたオタクカルチャーイベント「Dokomi」のレポート記事を公開した。筆者がフォローしている海外アーティストも「Dokomi」に参加しているという投稿をよく見かけていたが、イベントの雰囲気が伝わってくる記事。海外のイベント行ってみたい…!

KINDAIマンガカフェのトークイベントに書肆喫茶mori店主が参加

7月9日(火)、マンガをテーマに読書会・研究会をベースにした大小の活動を展開している近畿大学のKINDAIマンガカフェのトークイベントに書肆喫茶moriの店主が参加しました。

7月19日の毎日新聞関西版の朝刊で記事に取り上げていただきました!

オンラインイベント「邦訳海外マンガの作り方#3」開催

7月9日(火)にサウザンコミックスさんのオンラインイベント「邦訳海外マンガの作り方#3」が開催された。現在サウザンコミックス第8弾『ハチクマの帰還』の発起人をつとめられている川野夏実さんが出演し、これまでのご経歴や『ハチクマの帰還』についてご紹介された。

桃桃子さんのインタビュー記事公開

アメリカ・コミック界で活躍されている日本人アーティスト桃桃子さんのインタビュー記事が7月11日「あしたメディア」で公開された。カバーアーティストとして絶大なる評価をされ、さらに『デーモン・デイズ』をはじめとする日本を舞台にしたコミック作品でもファンを拡大中の桃桃子さん。マーベル・コミックで働き始めるまでの経緯や創作への思いが語られている。

フランスACBDアジア賞2024グランプリ発表

7月11日、フランスで開催中のJapan Expoで、バンド・デシネのジャーナリストと批評家協会(ACBD)が選ぶアジアの漫画賞であるACBDアジア賞2024のグランプリが発表され、たなか亜希夫さんのリバーエンド・カフェがグランプリに輝いた。

ノミネート作品については以下の記事にまとめているのでご覧ください。

アメリカの出版社ファースト・セカンドから大人向けの新レーベル!?

ティリー・ウォルデンのスピンアー・ユー・リスニング、マリコ・タマキのTHIS ONE SUMMER』『ローラ・ディーンにふりまわされてるなど良質なYA向けマンガを刊行されているアメリカの出版社ファースト・セカンド(First Second Books)が、7月11日、謎の告知画面を公開し、編集長でもあり漫画家でもるMark SiegelがSNS上で明らかにした。どうやらファースト・セカンドの作品を卒業した20代、30代の大人向けレーベル「23rd St.」を開始する予定?今後の続報に期待。

7月10日付でPublisherWeeklyから以下の記事が出ていました。

フランスの日本カルチャーの祭典Japan Expoが2025年大阪で開催予定

日本のマンガ・アニメなどのポップカルチャーを紹介するフランスの一大イベント「Japan Expo」。毎年7月に開催され、20万人もの入場者数を数える一大イベントが2024年も7月11日から14日にかけて開催された。そのなかで、2025年の大阪万博に合わせて4月26日27日に「Japan Expo Osaka」が開催予定であることが発表された。通常通り、7月にはパリでも開催されるということだが、大阪でのイベントは果たしてどのようになるのか要注目。

雑誌「GINZA(ギンザ)」2024年08月号にて海外マンガスポット紹介

7月12日発売の雑誌「GINZA(ギンザ)」2024年8月の「創作の熱に触れる アニメ&漫画の旅」という特集で、バンド・デシネ専門店メゾン・プティ・ルナールなどの海外マンガスポットが紹介された。

フランス「ケ・デ・ビュル」新人賞のノミネート10作品発表

フランスでアングレーム国際漫画祭につぐ規模の漫画祭として知られる「ケ・デ・ビュル」漫画祭。そこで発表される漫画賞の「新人賞」のノミネート10作品が7月15日に発表された。発表作品数が3作品以内の若手漫画家による2023年6月1日から2024年5月31日までに刊行された作品を対象としている。10月に開催されるケ・デ・ビュル漫画祭にて結果が発表される予定。

米沢嘉博記念図書館の「はじめてのバンド・デシネ展」アーカイブ公開

7月18日に明治大学米沢義博記念図書館のホームページ上で、2021年に開催された「はじめてのバンド・デシネ展」のアーカイブ情報が公開された。バンド・デシネの歴史やジャンルなどが概観できる。ウェブ上での公開とはいえ、かなりの情報量を誇るまとまった資料で大変ありがたい。

早川書房のコミックサイト「ハヤコミ」で海外マンガも掲載

7月23日に、早川書房が運営するコミック専門サイト「ハヤコミ」がオープンした。世界の名作SFやミステリを日本の漫画家によってコミカライズしていくという興味深いサイト。なかにはキアヌ・リーブス原作で話題になったコミック『BRSRKR(バーサーカー)』の日本語訳も配信されている。今後も期待。

台湾の漫画家・高妍さんと日本の漫画家・オカヤイヅミさんの記事公開

漫画家のオカヤイヅミさんがゲストを自宅に招いて飲み語らう連載「うちで飲みませんか?」。7月26日に公開された第5回では、緑の歌の単行本がある台湾の漫画家・高妍さんがゲスト。日本語にはない台湾の表現などの話も出てきてとても興味深い。

アイズナー賞2024受賞作が発表

漫画界のアカデミー賞と言われるアメリカの漫画賞「アイズナー賞」2024の受賞作が、7月26日、サンディエゴ・コミコンにて発表された。ベスト・グラフィックノベルにはマリコ・タマキ&ジリアン・タマキ『Roaming』が受賞。ベスト・ユーモア賞にグリヒルさん作画の『It’s Jeff: The Jeff-Verse #1』、ベスト・ペインターにモンストレスのタケダサナさん、ベスト・カバーアーティストにデーモン・デイズの桃桃子さんと、アメコミ界で活動する日本人アーティストの活躍が目立った。おめでとうございます!

イベント予定

8月1日~29日:トルコ風刺漫画展@汐留メディアタワー3階ギャラリーウオーク(東京)

8月2日(金)18:30~:『台湾はだか湯めぐり 北部篇』刊行記念イベント 著者 捲猫 さん×三文字昌也さんトーク&サイン会 『肩までつかろう!台湾風呂ワールド』@東京堂書店(東京)

8月3日(土)15:00~:『台湾はだか湯めぐり』著者 捲猫さん×池澤春奈さんとのトークイベント@今野書店(東京)

8月4日(日)13-15時:『ジェンダー・クィア』刊行記念|小林美香✕櫻田宗久|自分の性を探す旅@本と喫茶サッフォー(茨城)

8月6日(火):オンラインイベント「海外マンガ勉強会#3」

8月6日~31日:台湾のアーティストPETER MANN原稿展@大浪漫商店(東京)

8月16日〜20日:台湾のアーティスト瑪魯(マル)個展「幽幽」@タコシェ(東京)

瑪魯(マル)さんの新刊マンガの日本語訳は8月18日開催のコミティア149のMangasickさんとPETER MANNさんの合同参加スペースにて販売されるそうです。

8月25日(日):第8回アメコミビブリオバトル@日比谷図書文化館(東京)

書評・レビューなど

台湾はだか湯めぐり―北部篇―』(アフター6ジャンクション)

ウクライナ・ノート』『ロシア・ノート』(ラジオビューグル)

トンネル』(石田汗太さん、THE JAPAN NEWS)

トンネル』(NHK World News)

ルーカス・ウォーズ』(麒麟・川島さん、キネマ旬報)

La Bombe 原爆』(作者インタビュー、朝日新聞)

ジェンダー・クィア』(三木那由他さん)

避妊男子』(藤本由香里さん、東京新聞)

海外マンガの本棚(2024年7月公開)

個人的ニュース

2024年7月20日に書肆喫茶moriはオープン5周年を迎えました。
これもひとえにご贔屓にしてくださるみなさまのおかげです。
本当に、本当にありがとうございました。
6年目もなにか面白いことができないか、いろいろ模索していきたいと思います。
引き続き応援いただけるととても嬉しいです。

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