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グーグル社も採用した認知行動療法やってみた

人間は思考に「偏り」や「エラー」がある

認知行動療法は、人間がもっている思考の「偏り」や「エラー」を治してメンタルを改善するセラピーで、うつ病や神経症に効果があることはもちろん、ストレス対策としてグーグル社やコカ・コーラ社の企業研修でも使われています。

こうした企業は、徹底して効果があるものしか取り入れないので、研修実績があるのは効果の証明になりますね。

認知行動療法やってみた

認知行動療法にもいろいろな手法があるようですが、今回はアンドリュー・バースタイン博士が開発した手法でやってみます。

実際の効果を体感したいので、より具体的な自身の状況を思い返してやってみます。不明な固有名詞があるかもですが、サラッと流してください。

0. こんな状況だった

【職場】
クライアント先に常駐しAWSの運用業務を担当

【背景】
過去、複数のベンダーがAWS運用を請け負っていたこと、命名規則や設計標準が無かったことから、統制が効かず不要な設定値がたくさんあった。

【状況】
過去のベンダーが残したゴミ設定の削除を運用業務の一部として実施するよう依頼を受けた。

元々予定になかった追加案件の為、クライアントとは運用工数の余剰範囲で対応することを握っていた。6ヵ月のスケジュールを提示し合意した。

1ヵ月後にまだ終わらないのかとクライアントから叱責される。6ヵ月のスケジュールと議事録を出しても納得せず「すぐやれ」「すぐできるだろう」の一点張りで怒鳴られた。

1. トラブルの説明

設問
自分にとって困難と思われる状況をできるだけ客観的に簡潔に書いてください。「~べき」「~べきではない」の表現を含めるとよいでしょう。

私の回答
クライアントは、立場の上下を背景に過去の合意を無視し、対応が終わっていないことを強く叱責した。スケジュールの変更を望むのであれば、他業務との優先順位を調整し、関連部署に根回しすべき。過去合意したことを棚に上げて叱責するべきではなかった。

2. 思考の採点

設問
あなたのその考えは、どれだけ現実味がありますか?自分の考えが100%正しいと思うなら10点、考慮の余地があるならそれ以下の点数をつけてください。採点基準は主観で結構です。


0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10


私の回答
7点

3. 感情の把握

設問
その状況を考えたときに湧き上がる感情はどれですか?ない場合は、しっくりくるものを追加してください。


怖い 見捨てられた 怒り イライラ
気をもむ 混乱 落ち込む 絶望
恥ずかしい ムカムカ 無力感
お手上げ 傷付いた 我慢できない 不適切
不安 無視 やきもち 緊張
拒絶 憤り 切羽詰まった 悲しい 心配


私の回答
ムカムカ 不安 切羽詰まった

4. 行動の把握

設問
その感情が生まれたときにあなたがとる行動はどれですか?ない場合は、しっくりくるものを追加してください。


反論する けなす 責める いじめる 文句を言う
泣く 飲む 食べる 逃げる 戦う
あら探しをする 諦める 噂話をする 侮辱する
邪魔をする 眠れない 操作する 執着する
過度に働く 自分を哀れむ 説教する 偽る
先延ばしにする 買う 閉じる 喫煙する
苦しむ 閉じこもる 叫ぶ


私の回答
諦める 眠れない 過度に働く

5. 逆の意味に書き直し

設問
1.トラブルの説明」に書いた文章を逆の意味に書き換えてください。「現時点では」「その時点では」などを含めるとよいでしょう。

私の回答
ゴミ設定の削除を6ヵ月で実施することを合意したが、1ヵ月後の時点でクライアントが対応が終わっていないことを叱責してくるのは当然だった。

6. 証拠の洗い出し

設問
「5. 逆の意味に書き直し」で書いた文章の方が正しい(現実的)であるということを示す証拠を書いてください。また、書き溜めたものを声に出して読んでみてください。「5. 逆の意味に書き直し」の文章の方が現実味があると思いますか?

補足:トラブルの原因は「自分」でも「相手」でもOKです。自分が悪いと思えば、自分を原因とした文章。相手が悪いと思えば、相手のせいにした文章でOK。大事なのは「これが正解だ」と思える文書にすることです。

私の回答
現実には、その時点でクライアントが叱責するのは当然だった。なぜなら、以下の理由のため。

  • クライアントは立場の上下を笠に着る人間だから。

  • クライアントは正しいと思い込むとそれを正せない人間だから。

  • クライアントは強い口調で言えば要望が通ると思っているから。

7. 感情の把握

設問
「5. 逆の意味に書き直し」で書いた文章とその証拠が現実と考えた時に湧き上がる感情はどれでしょうか。ない場合は、しっくりくるものを追加してください。


穏やか 澄んだ 思いやり つながり 好奇心
啓発を得た 夢中 楽しい 自由 感謝
正直 謙虚 親密 光 愛 楽観的
平和 無邪気 落ち着いた 安心 静か
支えられた 寛大な 真実 理解


私の回答
啓発を得た 無邪気 哀れみ

8. 行動の把握

設問
その感情が生まれたときにあなたがとる行動はどれですか?ない場合は、しっくりくるものを追加してください。


受け入れる 謝る 近づく 正直になる 深呼吸する
明確にする 伝える 与える ゆだねる 運動する
探検する 集中する やり通す 許す 感謝する
聴く 償いをする 人脈を作る 聞く 参加する
優先順位を決める 接触する 共有する 話す 助ける


私の回答
深呼吸する 優先順位を決める 助けを求める

9. 再読

設問
「1. トラブルの説明」で書いた文章をもう一度読んでください。その考えは、今、どれだけ現実味がありますか?


0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10


私の回答
3点
クライアントがそういう人だとはじめから分かっていたので、ちゃぶ台返しがあるかもと思って準備すればいいと開き直れた。状況が続くようなら上から指摘してもらうようエスカレーションしようと思った。

やってみた感想

この作業で大事なのは、自分の思考と感情を客観的に把握することなので、考えが変わらなくても問題ないそうです。なので、考えの正否とか建設的かどうかとかは置いておいて、自分が正しいと思うことを正直に書いた方がいいです。

実際やってみると、びっくりするくらいスッキリしました。ネガティブな感情が落ち着くと、冷静に今後のことを考えられるようになります。

自分の感情がマイナスに傾いたり、パニックを起こした時にこの手法を使っていきたいと思います。

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