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ゆうえん、ちの、怪談。1

■ミラーハウス

子どもの頃、不思議な体験をした事がある。
その日は両親とお出かけで、行き先は私がリクエストした遊園地。
ジェットコースターや観覧車、メリーゴーランドなどをひと通り楽しんで、私はミラーハウスに向かった。
ミラーハウスは。鏡張りの通路を歩くだけ。
入口も出口もひとつの安全で単純なアトラクション。
「子ども1人でも大丈夫だろう」
両親は私を送り出した。
たくさんの私の姿が映し出される通路。
ゆっくりと歩いても、すぐに出口。
(もう終わり? つまんないなぁ)
私は名残惜しい気持ちになりながら出口を出た。
すると、血相を変えた両親と係員さんが飛んでくる。
私はミラーハウスに入った後、いつまで経っても出てこなかったらしい。
あわてて両親が中に入ったのだが、私は見つからず出口に出てしまった。
係員さんと中に入っても私は見つからない。
1時間経っても私は見つからず、大人達が頭を抱えていた最中。
私が出口から出てきたそうだ。
急いで抜ければ5分、子供がゆっくり歩いても10分程度。
そんな1本道のアトラクションで何があったのか……私自身もわからない。

今は無き遊園地での出来事だ。

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