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二郎っぽいチャーシューについて

 ぼくの中で二郎は普通名詞に感じてます。

一番簡単な二郎

材料:肉(鳥か豚)・炭水化物(麺かご飯)・醤油・ニンニク
調理器具:電子レンジ・包丁・まな板・(炭水化物が麺なら)鍋とコンロ

 軽く二郎の味を出したければ生のニンニクと醤油があれば十分です。肉も何でもいいです。以下の手順で簡単に作れます。

1.肉を温め始める(電子レンジか茹でる)
2.肉を温めている間にニンニク1, 2粒をみじん切り。ニンニクは根本を先に包丁で切り落とすと剥きやすい
3.肉が温め終わったら次に炭水化物を温める(電子レンジか茹でる)
4.温めた炭水化物に醤油を軽くふり、肉を乗せる(炭水化物に味があると美味しい)
5.肉にも醤油をかけ先程みじん切りにした生のにんにくを乗せる

中難易度の二郎

 次に中難易度の二郎を作りましょう。料理の難しさは材料入手・調理工程・言語化できない部分(コツ)の3点があるような気がしますが最後のコツについて難しさは無いように書いているつもりです。また、このレシピと先程のレシピの中間を取れば好きな難易度で実行できます。
 茹でる合間にふだん切らないものを切り、大量のお湯を使うので切創と火傷に気をつけましょう。また脂がたくさん出てくるので掃除しづらい場所にこぼすと後片付けが大変です。こうしたら次にどのような現象が起きるか常に思考しましょう。また長時間かかるのでこの状態で調理すると普段しない失敗をするなど、自分の疲労も自分できちんと認識できるようになるとより安心です。

必要な材料:にんにく 1球
      豚の塊肉500g(この量は適当でいい)(安くしたいか赤身が好               きなら肩ロース、そうでなければ豚バラ)
      醤油 200ml
      みりん 400ml
      ハイミー 100ml(味の素でも)
      豚の背脂 鍋に入る限界まで(多い分には困らない)
      きゃべつ 何枚か
      もやし 一袋
      炭水化物(ほうとう・ちゃんぽん麺などオススメ)
調理器具:ジップロック Lサイズ 1枚 (Mサイズ 3枚でもいい)
     ザル 2つ
     網杓子 1つ
     鍋 1つ
     ザルの入る深い茶碗か鍋 1つ
     フライパン 1枚
     コンロ(2つ以上あると嬉しい)
     包丁 1本
     まな板 1枚
     タオル 1枚
     調理箸 1膳(トングがあるならそっちの方がいい)
あると嬉しい:取っ手付きザル 1つ(最近百均で売ってる)
       トング 1つ(肉の移動に便利)
       圧力鍋 1つ(料理時間が2h短縮)
       大きな鍋 1つ(ラードまじりのお湯を捨てる場所にする)
       電子天秤 1つ(つくるのになれたらタレの配合に)
       電子レンジ(温め直しに便利)
かかる時間:圧力釜がなければ 4~5h、あれば2~3h + 片付け 1h+漬ける1晩

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1.圧力釜がなければ、塊肉と背脂を一緒に鍋に入れる。あれば、背脂を入るだけ圧力釜に入れ、残った背脂は塊肉と鍋に入れよう。豚の赤身は圧力釜に入れるとバサバサになりやすいので鍋で調理する。豚の背脂は入手しづらいが、肉に強いスーパーだと置いてくれている。「肉 スーパー (自分の住んでいる場所)」などとググってみよう。自分の近くだと肉のハナマサが必ず置いている。個人の経営している肉屋さんだと置いていないことも結構ある。また、ふつうkg単位で買うことになるので大きいリュックを持っていこう。

2.にんにく数粒を皮を剥き鍋(圧力鍋)に入れる。にんにくを細かくすると鍋底で焦げ付く可能性があるので細かく切ったりせずに入れる。

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3.水かお湯を鍋(圧力鍋)に肉がひたひたになるまで入れて茹でる。このとき、水やお湯は材料を避けてなるべく鍋の底をめがけて注ごう。きっと鍋ギリギリまで材料があり材料にかけると弾かれて溢れるので。塊肉は1~2時間茹でればよいが、背脂は3〜4時間煮るか圧力釜を使う必要があるので以下の手順となる。また、色々こぼれるのでIHの人はティッシュかタオルで拭き取ろう。

[1] 圧力鍋がないとき鍋を3〜4時間沸騰しないくらいの温度で煮る。背脂が箸で抵抗なく切れるまで煮込む。

[2] 圧力鍋があれば圧力釜は30分〜1時間、鍋は1〜2時間煮る。塊肉について、肉の厚みおよび脂の比率に依っていつ火が通るが一概に言えないが、包丁で真っ二つに切ってみて断面が白くなっていれば大丈夫。ただし塊肉の脂の比率が半分以上あるなら2時間煮るか削って薄くしよう。煮る時間を短くしたければ予めチャーシュー一個一個の大きさに切っておいても良いし、またより長い時間煮てしまっても良い。私はまな板と包丁に脂がつくのを避けて煮てから切るレシピにした。背脂はトロトロになるまで煮る必要があり、再調理が面倒なので極力多めに圧力釜で煮ておこう。鍋の方の背脂は煮込み時間が足りないので使わない。取っておいてまた必要になったときに更に煮よう。

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4. 塊肉を入れた鍋は美味しそうな黄土色をしているがただラードと水が混じったものなので使わない。ザルを深い茶碗か新しい鍋の中に入れ、塊肉とトロトロになった背脂を網杓子でザルに取り出す。圧力釜の場合、ここで箸でかき回してぐちゃぐちゃに細かくし、ラードが断面から溢れ出てくるので、できたらお湯を沸かし、かけて多少洗い流す。必須ではない。背脂は温めるたびに無限にラードがでてくるので完全になくすことはできない。ここでラード混じりのお湯はシンクに流すと後片付けが大変なことになる。放置して、冷えて固まったラードの塊を捨ててから残った水を流しに捨てよう。また、鍋についた脂は洗剤と水洗いでは到底落ちないので、おおよそティッシュで摘みとって捨ててから、洗剤とぬるま湯で洗おう。手についたときも同様にティッシュを使って拭ってから洗った方が良い。

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5.タレを作る。フライパンにみりん400mlをまず沸騰させた後、中火で5分以上おく。アルコールを飛ばすために先に熱している。次に醤油200mlとハイミー100mlを入れてハイミーが溶け切るまで熱して火を止める。すべての分量比は正直いいかげんでいい
 茹でた背脂を決してまな板から溢れないよう適切な量のせて、包丁で切っていく。きちんと火が通っていないと背脂はぐねぐねしていて、片手で押さえて切ると怪我をするので注意。念の為、包丁を持たない手は包丁の背に当て、押し切るような形で刻んでいこう。ある程度小さくなったら利き手だけで包丁で繰り返し叩いて細かくしていく。細かくなった背脂を網杓子などで拾ってジップロックに入れる。刻むと断面からラードが染み出てくるので、まな板からラードが溢れて片付けが大変になる前に移動させよう。
 背脂を入れたジップロックに、先程のフライパンのタレを少しずつ加えて好みの濃度に調節していく。タレを加えているときに二郎っぽい甘ったるい香りがしていれば順調。香りが足りなければ背脂の煮込んだ時間が足りないか背脂の量そのものが足りないので改善しよう。上の写真くらいの濃度(分かりづらいが、下にタレが溜まらず全体的に白と茶色が入り混じったくらい)が個人的に好きである。上から見ると油が浮いてうまく認識できないので横から見て調節しよう。下にタレだけ溜まった状態だとしょっぱくなりすぎる可能性が高い。しかし短時間漬けるときはそれでもいい。
 タレは余ると思うのでジップロック(瓶でも)に入れて保存しよう。長時間漬けるには丁度いい濃度だがラーメンにかけるには薄すぎるので後でタレを足す必要が出てくる。
 ちなみに、味についての美味しさの源はラードでなく、刻んだ背脂である。ただし食感については溶けたラードがチャーシューに絡むことであのトロトロ感が生まれている。もっと完全にラードを除きたい場合は、背脂を水の中に入れて、網杓子がラードの水位にくるよう洗濯バサミや割り箸や輪ゴムなどで固定してタレを放置して冷やす。網杓子にラードが白い塊でくっつくので取り除きやすい。

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6.茹でた豚肉を程よい大きさに切る。まな板と包丁はここで脂まみれになるのは当然として、切った肉をすぐジップロックか器に移さないと断面から油がたくさん染み出てまな板から溢れ、そこら中が汚れるので要注意。塊っぽいと美味しそうなので平たい直方体より正三角柱に切っていくのがおすすめ。ただしさっさと食べたい場合は薄く切って漬かりやすくして、漬ける時間を短めにするのも良い。
 作ったタレと茹でた豚肉をジップロックに入れ冷蔵庫で1晩くらい。ここも適当な時間でいい。2,3晩漬けたり何度か加熱を繰り返したものも、赤身がバサバサになる可能性があるがしっかり味が染みて美味しい。バサバサになっても次の工程でラードを多めに掬って絡めれば一応、問題ない。逆に味が染みすぎてしょっぱい場合は次の工程で温めた直後に水で洗えば良い。蛇口を捻って出てくる流水に5秒ほど晒すだけで丁度いい味になったりする。

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7.翌日、きゃべつともやしを茹でた後、ザルに取る。さらに炭水化物を茹でるか温め、別のザルに取る。水気はちゃんと切りたいのでザルに取った。チャーシューはスープごと固形化していると思うのでそのままちぎり取ってフライパンに蓋をし火を通し温める。でも正直、電子レンジで温めたほうが焦げなくて簡単。温めるときは撥ねるのでラップをするのを忘れないように。
 細かい話をすると、自分はやや薄目の味が好きなので、2晩漬けた後、流水で5秒ほど洗ってチャーシューだけ温めて皿に盛り、その後にスープだけ温めて好きな量を茹でた麺にのせるのが好きである。
 温めて溶けてきたスープにタレを足して好みの濃度にした後、炭水化物とヤサイにかける。ラード混じりなので好みに応じてうまく掬い取る。さらに生のにんにくを1, 2粒刻んで載せて完成。胃もたれする場合はラードや背脂を減らすかにんにくを軽く湯通しすると良い。ラードを減らすのに網杓子を用いて背脂だけ掬う手もある。汁っぽくなる場合は以上すべてを、皿の上に載せたザルの上で行うと良い。
 またスープが脂で甘すぎる場合は背脂を細かく刻むのが足りなかったので、まな板から溢れないよう気をつけつつ少しずつ刻んでしまおう。

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8.トッピングをしたければ追加で自由に。卵の黄身・チーズ・フライドガーリック・オニオン・魚粉・のり・天かすなど。卵の白身が余るが水溶性なので水に溶かして飲むといい。にんにくを大量に刻んでひたひたのオリーブオイルに入れて色が少し透明になるまで熱したのもオススメ。瓶に保存して好きな量かけて食べると生のにんにくと全く違った風味が楽しめる。またお腹を壊しづらいメリットもある。ちなみににんにくやたまねぎは摺り下ろしたりミキサーにかけると刻むのに比べ苦味が出るので注意。また、にんにくは小さくするほど焦げて苦味が出やすいので火を通すと苦いときは1粒4欠片くらいの大きめに切って熱しすぎないように再挑戦してみよう。魚粉を入れると魚介系濃厚つけ麺の味に手軽に歩み寄れる。魚粉が売ってなければ混合削り節をミキサーで細かくして用いても良い。ちなみに僕は電子天秤で測って背脂50g・刻んだ生のにんにく一粒・追加のタレ大さじ1杯・魚粉10gでつくるのが好き。天かすは麺の味が物足りないとき良い炭水化物の味になってくれる。

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9. ちょっとアレンジ。チャーシューの代わりにフライドチキンなど揚げ物でもバッチリ合う。ここでは8. の魚介系に更に海苔を刻んで混ぜ、また麺はほうとうにした。味玉も足した。かなり美味しい。


応急処置

 料理をする上で切創・火傷・食中毒には気をつける必要があります。このレシピは長時間調理にかかるので疲れているときは避けたほうがいいと思います。大怪我をした場合は 119 ですが、微妙なときは(場所によりますが)#7119 にかけて相談もできたりします。怪我した場合どうするか、事前に手段を確立してから料理をしましょう。調理と病院の時間帯の適合も重要です。
 ヒヤッとする調理法はいくつかありますが、それはそうすると必ず怪我をするというものではなくて続けていると何年かに一度怪我するというもので、ついつい繰り返しがちです。数年に一度起きる現象に注意を払うのはなかなか人間には難しいので普段から確実に怪我しない方法で行いましょう。例えば、切るときは薬指・小指の位置にも意識を向ける、幅より高さの大きい物は切らない、切りづらくても包丁の刃をもう一方の手に向けて切らない…などがあります。人のうちで調理するときは包丁の形状にも気をつけましょう。取手と刃が連続的につながっていて力を込めると指が刃の方向へ滑っていく包丁も世の中に存在します。
 ここで応急処置の具体的手法について述べられたら良いのですが、「健康に良いこと」について述べるのが難しいように、調べれば調べるほど自分の知識が揺らいでいくので述べるのはかなり先にします。

Q&A

Q1.なぜスープを作らないのか
A1.タレで作りましたが、これがスープとなると手間が膨大になります。寸胴鍋で10人分量は作らないと美味しいスープはできなくて、材料も多量の豚骨・背脂が必要になり煮込む時間も膨れ上がります。そのため、このレシピに落ち着きました。

Q2.豚肉を煮込むときにネギ・生姜は?
A2.ニンニクがあれば不要な気がしました。

Q3.麺は?
A3.自分で作るよりスーパーでいい感じのを探すほうが好きでそうしてしまいました。簡単な製法が思いつけばレシピにしたいです。

Q4.調理後の豚の背脂が余ったら?
A4.たいていの食事を脂っぽくするのに使えます。僕が好きなのは軽く流水で洗い、生ハムの上に乗せて脂身多めの生ハムとして食べることです。

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