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ホラー・SF小説集

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ホラー・SFに分類した小説をまとめています。
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2024年4月の記事一覧

聖者の揺り籠(後編)

■前編はこちらから■後編 母が死んだとき、世界はまだ混沌に包まれてはいなかった。  葬儀…

水瀬 文祐
1か月前
101

聖者の揺り籠(前編)

 エリス・如月は殺すな。生け捕りにしろ。  教官は命令の最後にそう付け加えた。それを聞い…

水瀬 文祐
1か月前
123

ぜい肉くん

 まず驚いたのが、我が家のドアチャイムが鳴ったということだ。思わずぜい肉だらけの体を揺す…

水瀬 文祐
1か月前
125

エクストラクト

 砂塵の向こうに霞む街が見える。  男は立ち止まっているとずぶずぶとブーツが沈んでいく流…

水瀬 文祐
2か月前
139

グルーブ・ドレジング

 第三次世界大戦は阻止された。だがそれは、けっして人類が望んだ方法によってではなかった。…

水瀬 文祐
2か月前
127

アイ、シオン

 ある日ぱたりと小説が書けなくなった。  山荘に籠って、食事の時に妻と会話する以外、人と…

水瀬 文祐
2か月前
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チェリーブロッサム・ブリザード

 その店には生き物であれば、何でも揃っていた。蜘蛛でも、トカゲでも、猫でも虎でも。そして、人間であろうとも。ただし、すべては現身に過ぎなかった。  現身とは、本物そっくりに制作された人形である。ただし高度な機械技術で根幹を制作されており、動きは本物と遜色ない。精度の高い人工知能も搭載されているため、その動物らしく振舞うこともできる。猫であれば猫らしく。虎であれば虎らしく。そして人間であれば、人間らしく。  店の中に一人で踏み込んだ刑事、蛍は店の棚にずらっと並んだ現身を横目に、