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FesterDecayレコーディングインタビュー 2022/08/27


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●自己紹介をお願いします

HARU(以下H):FesterDecayのギターのHARUです。よろしくお願いします。
ナカムラ(以下ナ):FesterDecayボーカルのナカムラです。よろしくお願いします。
ryozy(以下r):FesterDecayドラムのryozyです。よろしくお願いします。
イトウ(以下イ):FesterDecayのベースのイトウです。よろしくお願いします。

●今までの活動と作品について教えてください

ナ:活動自体は2016年に始まって、その年に初ライブをやって、ファーストデモ(FesterDecay DEMO)を、天神のスタジオでとりました。
H:DIYで。スタジオを借りて自分達で練習みたいに、録ったのがいちばん最初ですね。
ナ:そのファーストデモを持って初ライブって感じでしたね。
H:1年後の2017年にレーベルとか何もついてなかったので、物販で売る用にセカンドデモ(Carcasses Revenge)を自主制作しました。
両方とも媒体はCD-Rです。
PCで焼いて、ジャケットをコンビニで印刷して。
チョキチョキ切って完全DIYで。今はもう廃盤なんですけど。

●2016年に活動を開始されたとの事ですが、結成のきっかけは?

H:ここ二人(HARU・ナカムラ)が初期のメンバーです。当時からエクストリームなバンドがやりたかったんで、バンドメンバー募集サイトのOUR SOUNDSで知り合って一緒に遊ぶようになってからですね。
初期はドラマーが別で、ここのふたり(ryozy・イトウ)は後から加入しました。
イ:中途採用です。(笑)2020年に。 ちょうどFesterDecayのファーストデモ配ってたときに自分はTainted DickMenのベースのサポートに入ってました。
ナ:セカンドデモを出した後に東京のObliteration Records(はるまげ堂)の関根さんから「うちから音源出さない?」ってメールがきて、そこからレコード会社が毎年やってるAsakusa Deathfestっていうアンダーグラウンドですけど、すごく盛り上がってるライブハウスでやるフェスがあって、そのコンピレーション(Asakusa Deathfest 2017)に1曲参加させてもらって。フェスにも参加させていただいて。
H:2019年に、東京のCrash Syndromっていうバンドとのスプリット(Encyclopedia of Putrefactive Anomalies)をそのレーベルからリリースしました。
その後にメンバーチェンジがあって、今ついてるレーベル、イタリアの Everlasting Spew Recordsから「契約しないか?」ってオファーがあって。
ナ:ゆくゆくはアルバムを出す前提で、現在の体制でシングル(Aborticide)を1枚出しました。
●ryozyさんはどういった経緯でメンバーになったんですか?
r:もともとFesterDecayが好きで、物販でパーカーが出た時に、直接DMでボーカル(中村)に「絶対欲しいんでください!」って熱い感じでアピールしてて。
その流れで「ドラムが抜けるんだよねー。」って話をされて。
●その時はもともと面識があったんですか?
ナ:いや、ほぼ無くて。
全然敬語で、お互い「あ、お疲れ様です!」みたいな感じで接してて(笑)
r:ドラムの候補にあがったらしいんですけど、僕はuniverse last a wardってバンドでバンバンライブやってるんで、ちょっと遠慮しとこうかなって思ってたみたいなんですけど、僕が熱い感じでDMしたから。(笑)
ナ:じゃあやってよ。って。(笑)
●もともと同じシーンで活動はされていたんですね。
ナ:4年前くらいに対バンしてるしね。
r:でもそのときは僕には全然FesterDecayが刺さらなくて。 今加入したから言えますけど、「なんなんこれ!ショボ!」とか「音ちっちゃ!」とか思ってました。(笑)
だけど僕自身がいろいろ活動していく間に色んな音楽を聞いたりとか、
色んなバンドも出てくるし、理解度が上がって改めてデモとかの音源を聞いてみると、「あ、FesterDecayかっけえ!」ってなって、「絶対パーカー欲しい!ライブも行く!」みたいな。(笑)
ナ:そう、主催のライブにも来てくれてて。主催は福岡市で3回やりました。
H:コロナの時期入ってからは、やってなくて。
来年あたりにリリースに合わせて一発打てればいいなと思ってます。
●こんな状況ですし、ライブというよりレコーディングに活動をシフトするバンドも増えてきてますもんね。ちなみに今回の作品名は?
H:作品名は「Reality Rotten To The Core」で、腐りきった現実って意味です。曲名は曲が出来上がってからつけています。
●歌詞もですか?
ナ:僕だけが知ってます。頭の中にあるみたいな。

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●今回レコーディングするキッカケは?エンジニア(Zuma)さんとの出会いについて教えてください

H:universe last a wardで仲が良くて、引き合わせてもらって。彼はまた別で Dead Sky Recordings っていうレーベルをやってて。
ナ:同じシーンにいたんですよね。
H:自分達の音楽って、ちゃんとしたスタジオでプロにやってもらっても 思ったものができないんですよ。結局ダメにしちゃう。
荒さが欲しかったり、ラフにやりたいところをきっちりやらされる、味が無くなっちゃうみたいな 感じが今までレコーディングしてきてあったんで。
彼だったら歳も近いし、同じシーンで飲んだりもしてるから伝えやすいし、そういう音楽についての理解がすごく深いからやりやすいなと思って。
●どの場所で録るかっていうより、誰と作るかっていうのも重要ですよね。
H:大事ですね。機材がどうこうとかでもなく。だから、この3日間はすごく楽しみで。

●今回のレコーディングでいいかねパレットを選んだ理由は?

H:まあまあお金かかるじゃないですか、レコーディングって。彼(Zuma)を呼んで、スタジオとって、福岡市内で4人泊まり込みでとかなると、おそらく倍以上のお金がかかると思います。(※今回はいいかねPaletteで2泊でのレコーディング)
しかも自分はよくここに遊びに来てるんで雰囲気も知ってるし、知らない場所で緊張してやりたくなかったんですよ。
自然の中だし、食堂とかもあるし、みんなリラックスできるかなと思って。
自分自身がいいかねPalette激推ししてます。
●なかなか泊まって24時間使えるっていうスタジオは少ないですからね。レコーディングを始めてみての印象は?
イ:手応えを感じてます!(笑)

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●最近よく聞く音源を一人二枚、教えてください

r:URBAN HEAD RAWの2枚!Human InstinctとHuman Destruction。
「かっこいいけ!」ってHARUに貸してもらったんですよ。
そしたらもう、今年聞いた中でURBAN HEAD RAWが一番かっこよくて。
今8月で、好きなバンドの音源が来月出るんで、今のところは。
H:しかもこれ最近じゃ無いんですよ。貸したの3ヶ月前くらいで。3ヶ月間ずーっとスタジオの度に言い続けてる。(笑)
r:ライブはURBAN HEAD RAWって知らなくて一回見たことあるくらいで。
メンバーが帽子もってて、「え、なんそれー!」みたいな。
●結構物販から入るんですね。(笑)
r:やっぱり好きなバンドなんで、着用してたいです。そこから話が広がったりしますし。
ナ:僕は羊文学の3枚目のアルバムour hope。
●おお!意外ですね。
ナ:ちょっと遅れて知ったんですよね。いつでも聞けるっていうか、環境を選ばず、風呂でも寝る前でも。
ライブ見たことがなくて、見たいなーと思って。
あとは、最近というかずっと聞き続けてるのが、さっき話にも出できた
東京のはるまげ堂っていうレーベルの社長さんがButcher ABCっていうバンドやられてて。
活動歴が15年くらいなのにアルバムがずっと出てなくて、3〜4年前くらいにやっとファーストアルバムNorth of Hellが出て。
デスメタルとかゴアグラインドっていうジャンルなんですけど、めちゃくちゃかっこよくて、ダンサンブルでもあるし、リリースされてからずっと、本当にめちゃくちゃ聞いてます。(笑)
●今回作品を作るにあたって影響された部分とかあるんですか?
ナ:そうですね、声が良くて、ボーカルワークとか結構こんなふうに歌えればいいねとか考えたりしてますね。
対バン3回くらいやってて、福岡にも1回呼びました。
イ:自分はもともとG.I.Z.M.が好きで、そのG.I.Z.M.の影響から出てきた80年代のノイズとかインダストリアルに最近ハマってます。
Nurse With Woundっていう、初期のノイズとかコラージュとかをやってるアーティストで、最近そればっか聞いてるんですけど。ファーストのレコード買おうとしたら19万の値段が付いてて、「買えねえ!」ってなりました。
ジョージ・ハリスンがソロで出した電子音楽の世界っていう初期のシンセサイザー使ったアルバムとか、普段自分達が使ってるようなギターとかドラムとかベースとかを用いない、バンドとはかけ離れた世界の音楽を最近聞いています。
あとは、HipHopなんですけど、大阪のFULLMATICっていうラッパーの方がいて、その人がHipHopの中のPhonkっていうジャンルをやってるんですよ。
2〜3分とか短い中でビートも荒い感じのビートにさっさと終わるような
リリックをのせて。(笑)
日本ではPhonkやってる人が少なくて、FULLMATICさんが日本で先を
いってるというか、最先端で取り組んでる方だと思いますね。
デモが出た時から注目してて自分もちょこちょこコンタクトとったり関わりがあるんですけど、何かしら絡めたらいいなと思っていますね。
自分長崎出身なんですけど、長崎のイベントがDJとバンドとラッパーが
一緒にでてるのが普通だったので、常にかっこいいからOKって感じで、色んな音楽を聞けて1つのイベントに行けばDJもバンドもラッパーも見れたので。そういう環境で育ってきたので、視野も広がるなと思います。
H:1枚目はTurnstileっていうバンドの最新のアルバムGlow On。
もともとニューヨークハードコアが基盤になってるんですけど、メローなメロディー入れてきたり、歌ったりすることが結構多くて。めちゃくちゃおしゃれで、勢いがすごいんですよね。ハードコアとかって、聞いてる人もいるかもしれないけど疲れるからずーーっと聞いてるとか無いじゃないですか。(笑)
でも聞けるんですよね、初期のEPが凄くかっこよくて。朝でも夜でもいつでも聞けるし、いつ聞いてもあがります。
あとは、ラッパーのC.O.S.A. が去年出したアルバムのCool Kids。
めちゃくちゃにかっこよくて、よく聞いてますね。音楽を作ってる側のリリックじゃないですか。そっちの方が好きなんですよね。
全然HipHop詳しく無いですけど、偏って聞いてます。

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●今後の活動予定 について教えて下さい

H:ツアーがね、韓国行こうと思ってたんですけど、行きたかったLIVEハウスのGBNってとこがつぶれちゃって。
●え!コロナ関係でですか?
H:そうですね。コロナでずっと閉めてて、この間韓国は大雨があったんですけど、打撃を受けて。最後のとどめみたいな感じで。もともと僕のもう1つのバンドで2回くらい行ってて、オーナーがグラインドコアとか大好きで、ハコの名前も日本のゴアグラインドのバンドの名前からきてるんです。
行ければプチツアーやりたいですね。
ナ:あと、9月に大阪でライブがあります。

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●今回レコーディングした音源のリリースの媒体は?

H:CD、LP、カセットです。中村がレーベルからどれで出す?って聞かれたらしいんですけど、「全部!」って。(笑)
ナ:さっき言ったファーストとセカンドは日本では廃盤なんですけどその2つまとめたカセットがイタリアから出てて、次はそのCDがデジパックでブラジルから、カセットバージョンがイギリスから出てます。
●いろんなところで別の媒体が出てるんですね。(笑)
H:俺ら持ってないんですよ。(笑)
ナ:前とかはファーストもセカンドも全然反響なかったんです。かっこいいバンドはTシャツとかアートワークのこと考えてて、アーティストさんに依頼してるんですよね。
だから僕もお金を払ってインドネシアとか、アメリカの方にアートワークをお願いして描いてもらって。
それをシャツにしたり再発のジャケットとかにすると、レスポンスが明らかに違って。
●なるほど。自分らで発信するだけじゃなくて、ってことですね。そのアーティストさんはグラインドコアとかのシーンで有名な方ですか?
ナ:雑誌とかにも載ってたので、結構有名だと思います。ジャケットとかシャツもそうですけど、最初に目に入るじゃないですか。
だから、そういうのは凝りたいと思ってて。最初、どうやって見つけるかわからなかったんですけど、instagramでアートワークの仕事を受けてる人を見つけて、それから何人か探して依頼してっていう感じですね。
H:こういう端っこのジャンルはSNS駆使していかないと、すごいコアなニッチなところなんで、世界中から同じテーマを持ってやってる人を探す方がいいんですよね。
そういう面で、SNSを使うことにメリットはあるし、SNS世代でよかったなと思いますね。
●ちなみに、今回の音源のジャケットは決まってるんですか?
H:ここに滞在中にくると思います!
リリースは早くて来年春かな?Coming soon!
●最後にレコーディングを終えての感想をおねがいします。
H:スタッフの人達がとても親切で理解が深く、施設も開放的で利用 しやすかったです!
●100点の感想ありがとうございます(笑)!

Reality Rotten To The Core
 1.Rotten Fester Decay
 2.Hash The Tongue
 3.Fall In Grind
 4.Disintegration Of Organs
 5.Aborticide
 6.Stench Of Decay
 7.Psychopharmacist
 8.From The Dark Tomb
 9.Exposing The Skin Tissue
 10.Carcasses' Revenge
 11. Cryptic Wounds
 12.Liquidized Gallbladder
 13.Scum's Karma
 14.Reconstruction Of Malignant Miasma

interviewer 松本圭祐・久保田鈴菜


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