見出し画像

BOOK遍路MAPができるまで

初めまして。
BOOK遍路をつくる会です。

私たちは、BOOK遍路MAPの制作や読書会・トークイベントなどを通じて、本と人をむすぶ活動を行っています。

コロナ禍で街の活気が失われていった2020年ごろ、街の本屋のお世話になっている有志が集まり、恩返しのためのワークショップを始めたところから私たちの活動はスタートしました。

私たちは「馴染みの店」で出会う本や、店主を始めとした店をとりまく様々な人たちに助けられ、支えられていました。
緊急事態宣言が発令され、外出が制限され、リモートワークに切り替わり、学校が無期限休校になり、経済活動が減速していく日々の中で、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前ではないことに気づきました。
そして、自分たちにできることは何かないかと、居ても立ってもいられない気持ちになったのです。

新型コロナウイルス感染症に関する様々な情報に振り回される中、タイミングを見計らって集まった私たちは議論を繰り返し、読書会・PR動画・Webサイト・ZINE・SNS・Youtuber・ラジオなど様々なアイディアを出しました。
緊急事態宣言の再発令や生活環境の変化、各々の気持ちの行き違いなどにより、ワークショップじたいが消滅しそうになる危機もありました。

盲信していた「当たり前」が変わっていく状況に翻弄されつつも、1つの成果としてMAPを作ることが決まりました。

出会い、伝わる

本屋を寺院に見立て、四国八十八ヶ所霊場を回る「おへんろさん」のように巡ることで、店主を始めとした多くの人と出会うことになるでしょう。
本屋を目指して旅をし、本を通じて交流をすることで、探していたものや失ったものを見つけてほしいという願いが「遍路」という言葉に込められています。

また、本屋に訪れる人の目線を大切にしました。
自分たちで取材し感じたことを記事にすることで、表層的な宣伝にならないように気をつけています。
MAPという名を冠していますが、地図は距離感が分かる程度の大まかな絵にしています。道案内はマップアプリやSNSに任せ、日本一狭い面積の中に多くの個人書店がある香川県の文化が伝わることを優先しています。

考え、深める

完成したMAPは受け取る方の言い値で頒布することにしました。
ご自身で販売価格を決めていただきます。
全ての売上は、MAPを置かせていただいている場所を運営している方が受け取ります。もちろん、無料で持って行かれる方や無料で配布する店舗があっても構いません。
場所を運営している方の助けになると同時に、MAPの価値を決めるやり取りの中で、渡す側と受け取る側の間にコミュニケーションが生まれ、交流に発展することを期待しています。

印刷などの費用は発生しますので、本に関わる人を招いたトークイベントや読書会などを行い、その参加料から出せるようにしています。
助成金やクラファンなどの仕組みを使えばもっと大きなことができたかもしれませんが、反対に今の熱量は生まれなかったかもしれません。

生きる

私たちは「活性化」や「盛り上げる」という言葉をできる限り使わないようにしています。大きな花火を打ち上げて目立つことが、私たちの目的ではないからです。
日本の高度経済成長期はとうの昔に終わっています。人類の文明は地球のありとあらゆる場所まで行き渡りました。
もう右肩上がりに発展していくような時代ではありません。

それでも私たちは生きています。

祭りの後のような時代を生きる私たちの心のよりどころとして、ふとした瞬間に「そういえば本があった」と思い出してほしい。
あきらめないで。
信じてほしいと願っています。

Special thanks
本屋ルヌガンガ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?