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なるべくやさしいもので満たしていきたい

10歳の頃からは、なんとなく4階のベランダから飛び降りて消えたいと思っていた。

いまは消えたい欲求はほとんどないけれど、そのイメージだけは鮮明に残っている。そんな風に思うようになったきっかけはよく覚えていない。

なんとかやってこれたのは、そのときそのときで拠りどころになる人が家の外にいてくれたから。
学校の友達、部活の仲間、仕事の先輩、恋人……いまは疎遠になってしまった人も多いが、たくさんの感謝を。かつてはたらいた失礼の数々を詫びたいが、長くなるのでそれはまたいつかの機会に。
いずれにせよ、周囲のおかげで運よくここまで生き抜いてこれたと今ならよくわかる。

あとは趣味。絵、本、楽器、自転車、ゲーム、模型……そのときそのときで一人の時間に没頭できるものがそばにあった。いま思えば、かなりの部分救われてたんだな。

布ガムテープのようなもので20年間ぐるぐる巻きにされた心と身体を、やっとの思いで開放できたのは割と最近のこと。剥がすのにも同じ時間かかってしまった。
まだ剝がれていない部分はあるし、跡が残って糊が硬化してる部分もある。無理矢理剥がした部分はひりひりと炎症を起こしているし、いくつかの器官は壊死してしまったかもしれない。

いくつかのからっぽ。
なるべくやさしいもので満たしていきたい。

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