【ギター】「自分の音」について
私は94年頃(中学2年)にエレキギターを手にして、いくつかのバンド活動をし、ある時に少し疲れてしまって、07年の終わりころから18年くらいまでギターからは遠ざかっていました。ごくたまにポロンポロンと鳴らすことはありましたが、その時間が楽しいとも大切だとも思えない状態が続いていました。
従ってギターを再開してまだ1年と少しなので、私がギターについて語っても大してあてになることはないと思いますが、長く離れて再開したからこそ感じられることとか、楽しみとかがあるように思っています。
今日は、「自分の音」っていうテーマで少し書いてみたいと思います。
私はいまは基本的に「おうちギタリスト」なので、そもそもそんなに本格的な機材を必要とする場面はありません。ライブをやるわけでもないですし、曲を配信するわけでもない。YouTubeにあるブルース系のバッキングトラックを鳴らして、それにあわせてアドリブを弾いて遊ぶのが何よりの楽しみです。
演奏に使っている機材と言えば、
①Tokai Custom Edition TELE(中学生の時初めて親に買ってもらったギター)
②Gibson lespaul standard (1980年製)
③BOSS 刀 mini(アンプ)
ほぼこれだけです。
バンドをやっていた頃は、それこそ「自分の音」を模索して、エフェクターをあれこれ試したり、アンプのセッティングをいじったり、いわゆる「音作り」をするのに必要なことは人並みに経験してきました。
でも、バンドをやっていた頃、試行錯誤して作った音に対して、「これだ!」と思えたことはなかったように思います。もっとも本格的に活動していた時期の最後が2007年頃として、いまから13年ほど前。ギターの音作りをする環境としては、いまほどデジタルモデリング技術は進んでいなかったと思いますが、手元にあった機材はエフェクターにしても、アンプにしても、十分なものを持っていたと思います。
ではなぜ、あの頃の私は「これだ!」と思える音が作れなかったのでしょうか?
ひとつは、自分の中に正解がなかったことが大きかったと思います。
オリジナルバンドというのは、当然ながら自分自身が音作りの主人公なわけで、もちろんリスペクトするギタリストなど、参考にする音はあるにせよ、自分のバンドに曲にとって、また、一緒に演奏するメンバーの出す音とのバランスとして、どういう音にしていくべきか、ということの答えがいつ迄たっても出ず、いつもいつも音作りをしていたような気がします。
自分がいつもいつも音作りをしていると、当然、他のメンバーも、私の音を踏まえてまた音を変えてきます。するとまた、自分の音に疑問が湧いてくる、という終わらないループにハマっていたように思います。
いま、私は上に挙げたギターとミニアンプだけで、十分、「これだ!」という音が出せていると思っています。そしてその音を出すのに、細かいセッティングはあまり必要ありません。アンプのツマミはいつもその時の気分で少しずつ回していますが、それは音を変えるため、というよりは、常に同じような音を出すため、に近いです。
同じ音を出すためにツマミを回すっていうのは変に思えるかもしれませんが、「その日の自分にとって気持ちいい音」というのが、いまの私にとっての「正解の音」なのだと思います。
とても極端なことを言うと、テレキャスターを弾いても、レスポールを弾いても、根本的なところでは同じ音を出せていると思います。
もちろん、テレとレスポールは全く性格の違う楽器なので、そのキャラクターの差はある程度は出ますが、音のはじけ方というか、ニュアンスのような部分は、テレもレスポールも同じように出せるようになってきていると感じています。
「自分の音」っていうのはそういうことなのかなと、最近はよく思います。何のギターを使って、何のアンプを使って、何のエフェクターを使って、ということよりも、自分の右手(利き手)がギターをどう鳴らしたいと思っているのか、鳴らそうと思っているのか、ということの方が、「自分の音」を作る上では遥かに大切だと感じています。
さらに個人的なことを言うとすれば、アンプ直のクリーントーンで自分の音の鳴らし方をよく聴いてみるのがよい訓練になるような気がします。
10年以上もギターから遠ざかっていると、一気に昔のようにあれこれと機材をそろえるのはなかなか難しいものです(家族もいますし・・・(笑))。そういう中で、とりあえずギターとアンプという最低限の環境だけで、自分の手元の弾き方だけでカッコよく弾いてみようと、安上がりな楽しみ方をやってこれたのもよかったかもしれません。
何が言いたいかというと、
「自分の音は、自分の手が出している」
というお話でした。
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