【ギター】弾いてない10年間のあいだに上手くなってる?

僕は中学2年生の時に初めて自分のエレキギターを手に入れて、ローリングストーンズやチャック・ベリーの曲を中心に練習を始めました。

高校生になったら絶対にローリングストーンズのコピーバンドをやってやると張り切っていたのですが、残念ながら周りの友人はミスチルやGLAYなど、当時の流行りの音楽に夢中で、自分のやりたい音楽はできませんでしたが、それでもやはり、バンドを組んでみんなで演奏をする、という活動はエキサイティングでしたし、流行りの曲だろうが何だろうが、ギターを弾くというのは楽しいものでした。

高校生活も中盤になると、オリジナル曲を作るようになり、学外でオリジナルのバンドを組み、活動を始めました。それが高校2年生くらい。そこから大学に行ってもいくつか解散や結成を繰り返してながらオリジナルバンド活動を続け、社会人になって激務の中でバンド活動はさらに活発さを増し、それが祟って健康を損なってしまったことでパタリと僕はギターを弾かなくなってしまいました。

ギターを弾きたいという気持ちになれなかったのです。音楽を聴くことさえもやめてしまいました。

そんな状態が、およそ10年間続きました。

健康さを取り戻しはじめた頃、なんとなくまたギターを弾きたくなりました。でも10年間も弾いてなかったのだから、きっと指は思うように動かないだろうと思いながら、少しブルースのフレーズを弾いてみました。

ん?たしかに指はあまり動かないけれど、音の鳴り方が昔と違う気がするぞ?

と感じました。

昔、同じようなフレーズを弾いたとき、それは単純に音の並びがブルースであって、細かい(うまく言えないのですが感情のようなもの)ニュアンスは少なくとも自分には感じられなかったような記憶がありました。

でも、いまブルースを弾いてみると、とても感情豊かなメロディに聴こえるのです。フレーズどころか、チョーキングひとつだけを聴いても、単純な「音」ではなく、「音楽」に聴こえるのでした。

10年間もほとんどギターを触らなかったのに、あのころよりも、いわば「上手く」弾けているのはいったいどういうことなのだろうかと、不思議に思いながら、再開してもう3年ほどギターを弾いています。

なかなかまとまった練習時間は取れないのですが、ちょっとした隙間時間に演奏しているところをスマホで録画して、自分の演奏をチェックしながらSNSにもアップしてみています。

どうして僕のギターがこんなに感情豊かになったのかについて、もちろん科学的にも説明できませんし、僕は論理的に表現することも苦手なのでいいかげんな書き方になってしまいますが、純粋に、僕はいまちゃんと感情を持ってギターを弾いているのだと思います。

昔、精力的にバンド活動をしていた頃は、特に社会人になってからは、色々なことに必死になるあまり、感情をなくしてしまっていたのだと思います。ほとんど寝ていない人が死んだ目をしているのと同じように、当時の僕はギターから「音」を出していただけで、「音楽」を奏でてはいなかったのではないかと、最近では考えています。

あえていうなら、「音読」と「朗読」の違いのようなものかもしれません。

今の僕は、「朗読」をするように、抑揚や感情をこめて、ギターを弾けるようになっているのかもしれません。

そのせいか、ギターを始めてから今がいちばん楽しいと感じています。

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