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5.「何でもいい!印象を残せ!」

身震いがする。

憧れの団体の道場にいて、憧れの選手達に教えてもらえるんだから。

道場に住んでる=若手=自分と皆同世代。
しかも、自分はこの団体をくまなくチェックし続けてる。
これだけのアドバンテージがあれば何も緊張する事も無い。
むしろ、だから来たのだ。
そう、準備と下調べは万全だった。

ただ、当初思っていた「レスラーとは」という本質には迫れなかった。
やはり本物のレスラーを会場ではなく、間近にして、そこまでグイグイいく事が出来なかった。
身体的にはこんなガリガリの自分にまだそこまでの発言権は無いと思った。

それぞれのレスラーに一通り話し掛け、「最近試合見る度にでかくなってますね!」等の称賛の話が出来た。
そこはもう話し掛ける、話し掛けないで迷ってる場合ではない。
爪痕を残すも勿論あるが、何より自分自身話し掛けたい!
好きなアイドルを目の前にして話し掛けたいのと同じだと思う。

単純にプロレスファンとしての話も出来たと思う。
ちなみに、やっぱり思ったのがプロレスに関してはレスラー相手にしても自分が一番詳しい!
それは間違いない!

会話等は正直そこまで覚えていないが、自分という地方の田舎から来た頭のおかしな人間が来たという記憶は残せたと思っている。

これでいいと思う。
まずは狂った事をして印象を残せ。
そして、そこで終わりじゃない。
次に繋ぐように仕向けたんだから次がある!
つまり、チャンスを繋ぎ、広げた。

そして、今だ!という時にまた来る事になるだろう。
今回で間違いなく自分という名刺を配り回れたと思う。

これで、自分の行動力と、それに対する異常な経緯を見せつけられた。

帰りにはすっかり緊張も無くなり、落ち着いた面持ちでいられた。
次の日からはまた、当たり前の日常が始まるが、また新たな次の一手を考え出した。



「この縁をこのまま冷めさせてたまるか!」

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