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いちご白書 【1分で読める】#シロクマ文芸部

舞うイチゴ 舞うイチゴ 生まれ変わって~
舞うイチゴ 舞うイチゴ めぐり逢いたいね~

「いや、そこ、《もう一度》でしょ」

学生時代、イチゴちゃんと呼ばれていた女の子と仲良くしていた時期があった。

イチゴちゃんは酔うとカラオケで小柳ルミ子の「お久しぶりね」を熱唱するのだが、歌詞を替えて歌うので、僕はいつも面白い子だなあと思いながら、ツッコミを入れていた。

いつも溌剌としていて、太陽の光をいっぱい浴びて育った真っ赤な苺のイメージがぴったりな女の子だった。

たまにイチゴちゃんに誘われて(決まって向こうから誘ってくれた)二人で出かけた。イチゴちゃんの買い物に付き合う程度で、デートというほどのものではなかったけど。

イチゴちゃんが一方的に質問し、僕がたどたどしくそれに答えるというやりとりが多かった。

ある時、イチゴちゃんが大学からいなくなった。

悪名高い有名校のサークルの被害にあったとか、精神を病んでしまったとか、あるいは仮面浪人してて希望校に移ったとか、いろいろな噂はあったけど、本当の事はわからなかった。

みんなそこまで他人の事に関心がない時代だった。

いつも苺柄の服を着ていたので、イチゴちゃんというあだ名がついたのだと思っていたけど、本当は映画「いちご白書」が大好きだったからだと後から知った。

「いちご白書をもう一度」という歌があったなと思い出す。

「いちご白書を舞うイチゴ」と脳内で変換しながら。


またまたこちらに参加させて頂きました。
シロクマ文芸部に感謝!




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