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福岡偏愛 出逢い

きっかけは、上司に呼ばれ、『福岡に行ってもらうね』という転勤の内示。その会社は、ぴったり2週間前に異動を伝えてくれる。

「まさか」と「やはりね」の2つの納得感。他の候補地に比べたら、1番良いかな、というのは正直な感想。2日後くらいに家探しの旅に。

会社が手配してくれた不動産屋さんへ行き、おすすめ物件からスタート。博多駅近くの不動産屋さんから車で、今でこそ名前を知っている「国体道路」を通り、欅並木の素敵な感じに、この辺りに住みたいな、なんて思いながら、不動産屋さんの担当者と話をしていた。

「福岡って、怖いイメージありますよね。発砲事件とか良くあるみたいだし」

「それ、一部の地域ですよ。◯◯あたりね」

◯◯は、避けるとして、会社の人たちが住んでなさそうなところがいいな、が、第一希望。西新や大濠公園、薬院(ここは、悩んだ)あたりは、避けて。辿り着いたのは、まだ、九大跡地がそのままだった六本松。駅前、新築、家賃は1割負担。即決定。11階からは、見晴らしも良く、空が近く見えて、1LDKは広くて気に入った。

夕方の飛行機なので、取り急ぎ空港へ戻り、これからお世話になる「うどん」を食べて、帰宅。翌日からは、引越しの準備開始。頻繁に東京に戻るだろうから、生活必需品一式は買い揃えて、転勤準備金で間に合う程度の物を買い揃えて、終わり。

買ったものといえば、IKEAでベッド、調理道具、くらいのもので、家電は現地調達にした。このIKEAのベッド、帰るときに大変な思いをしたので、もし、わかっていたら、買わなかったなぁ。

辞令をもらって、夕方の便に乗って、福岡入り。マンションはまだ入れなかったので、ホテル泊。まだ、良くわからなかったから、なんとなくお寿司食べたい、とホテルの一階のお寿司屋さんで、軽く夕食を取ったのを覚えてる。

翌朝、初出勤。知ってる顔も少しいたけど、やはり、多くの人は初めて会うので、若干いつもよりは、大人しめに挨拶をした。でも、噂というのは広まるもので、みんなは、それとなくわたしの情報を知っていて、なんとなく、ゆるく歓迎されている感じがした。歓迎、というのは、社員にとって味方になってくれる人、という印象があるみたいだから。

その何年か前に、新人の子に、「Luluさん、お利口になった方がいいですよ。要領悪いですよ。」と言われたことがあった。

週末にマンションの鍵をもらって、入居作業が始まった。一人暮らし。ベッドやテーブルをセットして、天神へ繰り出し、家電を買って。夜になって、ご飯食べよう、と外に出て、けやき通りを歩いていたら、自転車屋さんがあった。

自分のためのはじめてのお買い物(投資)、in 福岡、それが自転車となった。ギアがたくさんついていて、電動ではなくて、好きな緑の自転車を買った。会社には自転車で通うつもりでいたので、遅かれ早かれ手に入れるものだけど、赴任してすぐに買ったものが自転車で、それ以降、1番の仲間のような存在になる相棒だった。マンションの駐輪場は盗まれては困るので、部屋で同居することにした。


翌日から、楽しい自転車通勤が始まった。そのおかげで、福岡を良く知ることになるとは、思ってもいなかったけど、雨の日以外、ほとんど毎日乗っていたのだから、福岡の道は少しくらい詳しくもなって、糸島(偏愛すぎる場所)、海の中道までも自転車で行ったし、神社好きな自分に気づいたのも、福岡のおかげだった。


あぁ、福岡偏愛。


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