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【レポート】 全国のまちづくりのプロが大集合。9/9,10(土日)「NO BIG DEAL! vol.3 〜出かける、見つける、参加する編〜」を開催しました!【後編】

BONUS TRACKの不動産屋・omusubi不動産が主催する、年に一度のイベント「NO BIG DEAL!」。全コンテンツをおさらいするレポートの後編です。

前編はこちら



― TALK LIVE ―

まちづくり実践者による恒例のトークは1日3回、合計6回開催。毎度ほぼ席が埋まるほどの大盛況。オンラインでも配信しました。

テーマに沿って、自分たちの実践しているまちづくりを語ってくださいました。タイムテーブルを写真と共に紹介します。

会場の前には、各出店者が発信する50点近くの募集情報が並ぶ「見つけるボード」も登場。店舗スタッフから、空き家リサーチャー、カタリストスタッフ募集なんていうものもあり、来場者も興味深く見ていました。

【9/9(土)】

①13:00-14:00 オープニングトーク 

殿塚健吾(omusubi不動産)× 友光だんご(株式会社Huuuu)

NO BIG DEAL!イベントのみどころを、一挙公開トーク!このあと実際の現地の様子をBONUS TRACKのInstagramからライブ配信を実施しました。

②15:00-16:00 「まちに根を下ろすデザインファームが創ること、築くこと」

新山直広(TSUGI LLC.代表 / 一般社団法人SOE副理事)× 宮崎晃吉(株式会社HAGISO 代表取締役)司会:友光だんご

まちづくりにおける「デザイン」という言葉の解釈について、宮崎さんと新山さんが共感されていた点が印象的なトークでした。お二人とも、現在の建築物やまちの姿などのアウトプットとしてだけではなく、これまでの文脈を汲んだリサーチ、プランニング、アウトプットのプロセス全体をデザインとしてとらえており、その領域の広がりについて語られていました。一方で宮崎さんは、建築家やデザイナーなどの肩書きにはとらわれ過ぎずに、まちに関わる人々が幅広い領域にコミットして互いに交わり合いながらまちづくりをしていくことの重要性も話されました。

③17:00-18:00 「ローカルを編集する、その手法と作用について」

影山裕樹(合同会社 千十一編集室 代表 / 編集者)× 友光だんご(株式会社 Huuuu / ジモコロ編集長)司会:ヤマグチナナコ

地域編集者の育成の重要性の話が盛り上がった2回目。影山さんは、世代の垣根や地元民と新興住民と の間の垣根を越えて人を繋ぐこと(関係の編集)により、地域への人の移住や移動を促す存在を、「地域編集者」だと説明し、その育成論の構築が今後のまちの編集において重要だと強調していました。友光さんもその点に共感。1つの正解論を導くことが難しい移住においても、地域編集者の存在があれば、移住者を最適な地域や土地に導いていくことができると話されていました。

【9/10(日)】

①13:00-14:00 「住むまちを自分たちでよくする新しい仕組み」〜下町長屋を共有する財団と、地域住民とデザインするエリアマネジメント〜

佐藤哲也(Helvetica Design 株式会社/代表取締役 クリエイティブディレクター)× 後藤大輝(すみだ向島EXPO実行委員会 委員長)

佐藤さんのお話で印象的だったのは、ご自身が運営される飲食店、小売店、あるいは行政との協議など様々な場面において、 1つのコンセプトを伝え、そこに沿わせるように調整することの難しさという点。デザイナーの価値を地方から高めていくためにも、デザインファームとして自らの軸がブレないように仕掛けていく姿勢を感じました。一方後藤さんは、墨田向島エリアのコミュニティの多様さに触れられ、昔からの地元民や、複数世代が交わる新興住民達との関わりの中で、まちの風景となるようなアートプロジェクトや長屋文化継承の取り組みについてお話しいただきました。

②15:00-16:00 「『空き家活用』の価値を広げる次のムーブメントを考える」

さわだいっせい(YADOKARI株式会社 代表取締役)× 内山博文(Japan. asset management 株式会社 代表取締役 / 一般社団法人リノベーション協議会 会長)

空き家活用のために必要な知識として、不動産、建築、ファイナンスの3つが冒頭に挙がりましたが、それらに加えて、空き家の価値を広げるために必要な2つのマインドを登壇者のお二人から学びました。内山さんからは、中古住宅の税制優遇導入の例など、民間の取り組みによって制度を生みだしていく、すなわち業界全体の仕組みを変える突破力、行動力のマインドを感じました。一方で、さわださんのお話では、空き家の価値を様々な視点から見つめる、既成概念にとらわれない柔軟なマインドも必要であると気づきました。こうした知識・マインドを併せ持ち行動することで、日本の空き家活用から新たなビジネスや価値が生まれるのかもしれません。

③17:00-18:00 「『都会のとなりのまちづくり事情』〜ベッドタウンに個性と愛着は生まれるのか〜」

小嶋直(つなぐば家守舎株式会社 代表取締役 / 一級建築士事務所コーデザインスタジオ代表)× 殿塚建吾(omusubi不動産 代表)

草加市や松戸市のようなベットタウンにおけるまちへの愛着について、小嶋さんと殿塚さんのお話で共通していた点は、場所そのものではなく、その場所に行くと誰かに会えるという期待、すなわち場所に集まる人 間関係の積み重ねによって愛着が生まれるという点でした。殿塚さんが両市の強みとして、より多くの関係人口を呼び込める東京郊外という立地に触れられていましたが、地域の良さをよく知る地元住民と、他のまちの良さを知る新興住民とのつながりによって個性を生み出せば、そのポテンシャルが十分に発揮できる可能性を感じるトークでした。

来場者も出展者も、まちを超えてつながるイベント!

こうして2日間が無事終了。
出展者の皆さんに感想を聞いて回っていたら、第一声は「暑かった!!」が多かったのですが(笑)、二言目には「良い出会いが多かった」という声が多く聞こえました。いくつかご紹介しますね。

 gnomeさん
「初めてのポップアップだったので、gnomeってなんなの?というところを直接伝えることができてよかったです。郡山の話をしたり、福島にゆかりのあるお客様もいらっしゃいました。タコライス、あと3食なんですが、食べませんか?」

SAVA!SOTREさん
「鯖江のことは知っているけれど行ったことがない、メガネ以外のものは知らなかった!という方たちとも話せて、本当に楽しかったです。出展者同士のつながりができたのもうれしいなと思います」

YADOKARIさん
「空き家ゲートウェイに興味を持っていただけてよかったです。タイニーハウスを見に来た方もいて、購入希望者にも会えました。出展機会を求めているので、オファーお待ちしております!」

doughmakerさん
「なぜ始めたの?お店はどこですか?と、たくさんお声がけいただけてうれしかったです。向かいのベンチからサムズアップで味の感想をいただいたり(笑)。松戸とはまた違った雰囲気で刺激的な2日間でした」

まちづくりへの情熱と地方の魅力にあふれた2日間でした!
来年もお楽しみに!

写真・文=井上麻子


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