ろっかっけいのてんまど

誰かがあの子にそこにいろと命令したから。
だから解けたチョコレートの炎に身を焼かれながらあの子はそこに経っている。
急な知らせは、蚊のように頼りない。
到達してはハエ叩き。
また到達してはハエ叩き。

やがて炎は消える。
積み重ねられた人生のノベライズ。
囲まれて余生を過ごすのだろう。
誰かがこの子にそこにいろと命令したから。

可哀想な子。
本棚に収納してあげた。
背表紙が番号順になる様に並べてあげた。
読み終わる頃に次の巻を手渡してあげた。
綺麗な色のラグを引いてあげた。

雨はきっと降るから屋根を作ろう。
夜はきっと眠いから布団を敷こう。

おやすみなさい


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