お気楽な小ネタを二題
「6月」
6月1日に、やぼ用で出かけた先で民放のラジオがかかっていた。目的の人物が出てくるまで間があったのでラジオに耳を傾けていた。すると、パーソナリティーが「今日から6月1日ですね」と言った。
うん!?「今日は6月1日ですね」ならいいが、「今日から6月1日ですね」はちょっと変だ。いや、ちょっとではなくだいぶ変だ。たぶん彼は「今日から6月ですね」と言いたかったのだろう。
スタジオにはそのパーソナリティーのほかに男性と女性が一人ずついたが、その二人は指摘もせず、番組はそのまま進行していった。
当のパーソナリティー自身は気づいていなかったに違いないが、男女二人はどうだったのだろう。
1、気づいたが、ささいなことだから指摘するまでもないと思った。
2、気づいたが、話(進行)の腰を折ると思って調子を合わせていた。
3、男女のどちらか、あるいは両方かはさておき、気づかなかった。
というところだろうけど、私は男女二人のうちどちらかは気づいていたと思う。二人とも気づいていなかったということだってあるだろうけど、二人ともただの素人ではないのだから、気づかないはずはないと思う。
真相がわからないまま「今日から6月4日」になってしまった。
「全身打撲」
だいぶ前のことだが、雑誌にある温泉旅館の広告が載っていた。その広告にはちょっと変わった表現があった。効能のひとつに「全身打撲」とあったのだ。
この場合の「全身打撲」とは、たぶん「体の部位を特定しない(どこであろうと)打撲」のことを言いたかったのではないかと私は推測した。もちろん、本来の全身打撲のことを言った可能性もあるが。
「全身打撲」と「体の部位を特定しない打撲」では意味が異なる。
この広告原稿はきっと温泉旅館の誰かが作ったのだ。旅館の社長や女将、あるいは番頭や営業係といった関係者だ。広告代理店や出版社なら、温泉の効能書きに「全身打撲」などという言葉は使わないはずだ(と私は思っているのだが、ほんとうのところはわからない)。
それに、打ち身や捻挫などとは重度の異なる「全身打撲」という言葉を、温泉の効能書きに使えるかという法律上の問題があるかもしれない。
いや、待てよ。ほんとうに「全身打撲」に効くのかもしれないぞ。国語辞典にこそ載っていないが、「全身打撲」は珍しい言葉ではない。打ち身や捻挫に効くなら「全身打撲」に効いても不思議はない。
それにしても、広告を作った人物は「全身打撲」と「体の部位を特定しない打撲」の違いを承知しているのだろうか。
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