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高値の花

〔解説〕

 この四文字を目にすれば即座に意味がわかるほど単純なことわざである。もはや解説など不要だが、親切な本辞典は恥も外聞もなく解説する。

 ここで言う「高値」とは金銭的価値のみならず、社会的地位や人格など、すべてを含めての価値をさす。「花」については、魅力的な人や物を例えたものだが、人に対して言う場合には女性をさすことが多い。
 したがって、全体では「自分の財力では手にすることのできない高価な物や、さまざまな点で自分よりレベルが高く、恋愛や結婚の対象にするのは不可能な女性」といった意味となる。(※「高値」はパロディーです)

 なお、このことわざと発音がまったく同じうえ、意味もよく似たものに「高嶺の花」がある。会話などの場合は関係ないが、文字で表す際には注意しなければならない。「高嶺」は「高根」とも表記する。
 親切ついでに意味の違いを解説すると、このことわざの「花」は、金銭的価値ではなく、近寄れない所にあるという場所的条件によって手が届かず、眺めることしかできないという意味である。どっちにしても手にできないことに違いはないが。

〔さらに解説〕

 凡之助さんは大型クルーザーが欲しい。しかし、奥さんに「そんなものより家のローンを早く完済してよ」と一蹴される。大型クルーザーは明らかに「高値の花」だ。

 凡吉さんは美人アナウンサー阿奈運子さんの大ファンで、結婚したいとまで思っていた。しかし、凡吉さんは何ひとつ取りえがなく、風采もあがらない。しかも、つても接点もないとなれば阿奈運子さんは超「高値の花」だ。

 ところで、前述二つのことわざに類するものとして、「高嶺の花を羨むより足下の豆を拾え」がある。「自分の手が届かないものなどを欲しがっていないで、もっと身近にあるものを確実に手に入れるほうがいい」という教訓である。(※パロディーではなく事実)
 たしかにごもっともである。

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