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U2が影響を与えた音楽⑥Achtung Babyの影響


U2が影響を与えた音楽⑤

次に『Achtung Baby』の影響を見てみましょう。今日、このアルバムはロックとダンスミュージックを融合させた画期的な作品として、非常に高い評価を受けています。

私は苦虫をかみつぶすのをやめてもう一度考えてみた …そしてSPIN誌が全く正しいことに気が付いた 嘆かわしく、全く歓迎できないが、U2の影響力は時代とともに減少するどころか各ディケイド毎に増すばかりなのだ……残念ながら……アクトンベイビーによってU2はその後20年のギターミュージックの雛形を作った 音響的には空間的だが歌詞の面では抽象的 そして感情的という言葉は完全にその意味を失った……今日U2のおかげで、メインストリームのバンドはどれもみな同じように聴こえる。コールドプレイ、キーン、スノウパトロール、再結成TakeThatでさえ、過去10年で最も売れたバンドはみなU2の影響を感じる。 ノエルギャラガーはU2を聴いて名曲の書き方を学んだLive ForeverやSlide Awayのような初期の曲はまるで北部アクセントのONEだ。

認めるのは憂鬱だが、真実だからしょうがない U2は過去25年で最も影響力のあるバンド

やっぱり、これが90年代のひとつの形を作ったと思うんで。ここにあるメロディとか曲の展開とかは、その後のバンドにひとつの方程式みたいなものを提示したな、と思っていて。それ以前のやつも好きなんですけど、それよりも、もっと開き直ってる。ポップスに対しての開き直りみたいなものをすごく感じます。

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ブライアン・イーノ

まずアクトンの成果を生かしたのは、他ならぬプロデューサーのブライアン・イーノです。1992年のアルバム『Never Net』はアクトン直後にレコーディングされたもので、その成果が遺憾なく発揮されています。イーノがU2に影響を与えただけではなく、イーノもU2から影響を受けていることを窺わせる作品です。

キャリアがU2ぽい

90年代のU2は、『Achtung Baby』のみならず、『Zooropa』『Pop』で当時流行っていたデジタルミュージックを吸収し、そのスタイルを大きく変貌させた時期です――但し、核となる部分は変えずにーーかつては1度頂点に立つと、その後はグレイティスト・ヒッツ・バンドと化し、第一線から退くというのが、バンドの一般的なキャリア形成でしたが、U2はこれを一変させ、新たなバンドのキャリアスタイルを築いたのです。

Pearl Jam

アルバムごとに作風を変えてくるPearl Jam。U2とはお互いレスペクトし合っています。当初、エディ・ヴェーダーはデジタル路線に走ったU2を理解できなかったのすが、しばらくしてその真意を掴んだそうです。

今の俺は、U2を100%リスペクトするに至ったんだ。疑問を感じた時期もあったけどね。初期からのファンなら、誰だって皆そうだろ?あの当時はスピリチュアルでオーガニックな感覚に溢れていて、文字通り大地の中から生まれ出たかのような男達だったんだから・・・その後、彼らが銀のスーツを着て現れた時、その意図を理解する為に俺は少し時間を必要としたんだよ。でも・・・俺にはわかった。彼らが一体何をしていたのかを完璧に理解できたんだ。結局俺自身も、レベルは全然違うけどある意味で同じようなプロセスを通過してたのさ。

Metallica

ドラムのラーズさんがU2ファンで有名なMetallica。ここも1990年の『Metallica』以来、往年のファンの期待を裏切る実験作・意欲作をリリースし続けているあたり、U2の影響を受けているように思います。

俺は、U2は最高にクールだと思う…。2014年のいま、既成概念にとらわれず物事を考える人や、何らかの形で音楽業界の現状を打破しようとしている人は称賛されるべきだ。俺にとっては、その試みが成功するかどうかは問題じゃない。俺らみんなに向かって、こういう改革的なものを投げつける度胸と先見の明があるってことだ。俺らはいま、自分らのクリエイティブ・プロセスにどっぷり浸かっている。それを一からやり直そうとするこのタイプの試みにはものすごく刺激される

メタリカのラーズ「U2の無料配信にものすごくインスパイアされた」

デヴィッド・ボウイ

1995年、イーノがプロデュースした「Outside」で華麗に復活したボウイ。そのイーノに触発されたのか、1997年には、当時、クラブシーンで流行していたジャングルという音楽を大々的に採り入れたボウイ版『Pop』ともいうべき、『Earthling』をリリースしています。

The Smashing Pumpkins

ビリー・コーガンは『Zooropa』がお気に入りらしいです。

僕はいまだに「Zooropa」は彼らの最高傑作だと考えている。奇妙な曲でさえファンタスティックで、これは僕の意見だけれど、あのアルバムは、商業主義とそのプレッシャーが、ファンタスティックな前衛アーチストになりそうな人々を捻じ曲げて、恐らくは不自然な形にしてしまうことを示していると思う。そして僕は、あんな信じられないほど崇高なアルバムを作った後に、文字通りPopなアルバムを作ったU2というバンドのパワーと偉大さを示していると思う。

そのU2の影響を受けたのか、1998年の『Adore』はこれまでのギターロックを控えめにして、ニューウエーブ路線に思い切り舵を切ったアルバムです。が、商業的には惨敗に終わり、バンドの解散に繋がったのは大変残念。

R.E.M.

R.E.M.の1998年のアルバム『Up』は、これまでの作風をガラリと変えたエレクトロニカ路線でした。これは前年に出た『Pop』の影響があったと思われます。が、UK、ヨーロッパでは好評だったものの、アメリカではセールスが振るわず、低迷のきっかけになったのは大変残念。

Radiohead

当時商業的自殺とまでいわれた2000年の『Kid A』。『The Bends』→『OK Computer』→『Kid A』という目まぐるしいスタイルの変化、そしてデジタルミュージックへの接近は確実にU2を意識したものです。

RadioheadのファンはU2という存在を超越しなければ、バンドは存在しなかったかもしれず、少なくとも今と同じ形ではなかったという話を聞くのが好きである。OK Computerやその前のアルバムではボノっぽい雰囲気がなくもなかったのだが、U2のロック王国の表向きの後継者たる世界でもっともビッグなバンドとして21世紀に突入した際、彼らは捉えどころのないアートエレクトロの傑作Kid Aをリリースしたが、それはアリーナ級のロックの正反対を志向するものだった。このような背景もあり、Radioheadの次なるキャリアはトム・ヨーク以下バンドのメンバーがいかにして次のU2にならないかに規定されることになった。

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そして21世紀にはいると、子供の頃にU2に慣れ親しんだバンドが次々とデビューし、U2ぽい音を鳴らすことになります。U2は古典となったのです。

今の最新の音楽シーンを見ていて、U2の存在感がますます大きくなって来ているのを感じる。ロックというジャンルに限って言えば、ビートルズ革命以降でロックに最も大きな本質的な変革もたらしたのはパンクでもグランジでもオルタナでもなく実はU2だったということが、ポップ・シーン全体の中で明確に証明されていっているように思う。

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U2が影響を与えた音楽⑦

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