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睡眠外来へ〜起立性調節障害と睡眠相後退症候群〜

2020年9月

そらが中2の夏。
それはそれは体調が悪く、
日中ずっとベッドで眠り続け、
水泳の練習にも週に1回行けたら良い方で…、
私はそんなそらの姿を見続ける日々に疲れ、
何もしてやれない無力感に打ちひしがれていました。
それでももっと調べればなにか見つかるのではないかと必死でした。

そこで私は1つ行動しました。
別の小児科に行ったのです。
かかりつけ小児科医さんのことは信頼していたのですが、
学校に行きたいというそらの気持ちを肯定してくれる感じではなく、
そこの部分だけはいつも話は平行線でした。
あくまで「心身症としての起立性調節障害」と捉えていたと思います。

2軒目の小児科は隣の市にあって、
Dr.の奥様といわゆるママ友でした。
そらも連れて行けたら…と思っていたのですが、
起き上がることができず、私だけ行きました。
Dr.のお子さんとそらは学年は違いましたが
同じ幼稚園、小学校だったので、
Dr.の反応は
「あの元気だったそらくんが…」
という感じでした。
ね…まさかですよね。

そらの体調のことについて詳しく話を聞いてくださいましたが、
やはり起立性調節障害に関しては
これといった治療法はないということでした。
一縷の望みをかけていた点滴療法も、
「その時は良くなっても点滴を抜いたら元に戻るんだよ…」
と。
ただ、
「生活リズムを整えるように専門医に言われても夜眠れないから、まずそれができない」
と伝えると、
「睡眠障害に対しての治療法はあるから紹介しましょう。」
と睡眠外来を紹介してくださいました。
そして今に至っています。


今回はその睡眠外来での話です。
そらもりくも、
こちらでロゼレムを処方されています。
メラトベルではないのは、Dr.がロゼレムを使い慣れているからです。
(今りくは目覚めが悪いので、エビリファイも処方されています。)

今回のうみの診察で、私は
「起立性調節障害と睡眠相後退症候群のことについて聞こう!」
と思っていました。
ある児童精神科医さんが
「国際的に認められた概念でいくと、だいたい睡眠相後退症候群に該当しそうな気がするのですよね。それを併存と考えるのか、起立性調節障害による「起きられなさ」と考えるのか……。
また若者の睡眠相後退はかなり生理的でもあるので、あれこれ考えてしまいます。」
と仰られていたことが、とても気になっていたからです。
せっかく睡眠専門医さんにかかっているのだから、教えていただこうと。


睡眠専門医さんは
「僕は起立性調節障害に関しては詳しくない」
と仰いながらいろいろお答えくださいました。
そりゃそうですよね、睡眠専門医さんだもの。

「起立性調節障害というこの病名は、日本ではものすごく流行っているけれど、外国ではそんなにメジャーな病名ではないんですね。
そもそも病名なのかって話でもあるんです。」
と言われると後半部分に対して噛みつきたくなる私…。
病名じゃないってどういうこと?

「症状について名前をつけたというか。
そもそも病名と言うのはウイルスだったり原因がわかっているものについているんです。」

例えば『風邪』はウイルス由来なので病名なのだそうです。
じゃあ『うつ病』は?
ウイルスなどでならないですよね。

「うつ病は歴史が長いし…(なんてお答えくださったか忘れました💦ごめんなさい💦)」
とにかく、起立性調節障害に関しては分からないことがまだ多すぎると。

日中眠くなることに対して、
睡眠専門医さんが睡眠相後退症候群として
患者さんに説明するなら、
「そもそも朝6時に起きたとしても、体内時計が3時間ズレていたら、その子は夜中の3時に起きたことになります。
となると日中眠くなるのは当たり前でしょ?」
と伝えるそうです。
私も納得しました。
でも、起立性調節障害の専門医さんの説明では
「脳血流量が低下するから」
です。

私は中学校に、起立性調節障害専門医さんに聞いたことを伝えています。
どちらが正しいのか?
どちらも正しいのか?

それに対しては
「哲学の話になってくるんですよ…」
と言われたので、
哲学とか倫理とか苦手は私は
「???????」
となりました。

結局大事なことは、
「その子のしんどさが周りに理解され、
その子が望む生活ができているかどうか。」

だと。

中学校に説明するのは、
時間感覚がズレているから、でも、
脳血流量が低下するから、でも、
どちらでもいいと思うと仰いました。
大事なのは、突然眠くなり、眠ってしまううみのことを、
クラスメイトや先生方が受け入れてくれることなので、と。
その視点から言えば、うみは上手くやれていて、『大成功』なんだそうです。


睡眠相後退症候群でも、頭痛や腹痛、倦怠感がよく現れるそうです。
(血圧に関しては聞きそびれたのでまた来月聞いてきますね。)
☆起立性調節障害
☆慢性疲労症候群
☆睡眠相後退症候群

これらはあまりにも症状が重なる部分が多く、
明確な線引きがとても難しいということでした。
Dr.の専門性や捉え方次第…。

患者としては明確な診断をしてくれるほうが
スッキリしますよね。
ただDr.サイドからみても、診断するのがとてもむつかしいんだと改めて実感しました。

睡眠専門医さん的には、薬を使ったりせず、無理に起こさないでその子の体内時計に合った生活をしたらいいのに…と思うそうです。長期にわたる薬の影響も考えなければならないし。

でもうみは学校に行きたいし、みんなと過ごしたい。
その気持ちを無視して
「学校に行かなくてもいいから身体にあった生活したらいいよ。」
と言ったとしたら、うみのココロはどうなるでしょう…。

睡眠専門医さんはもう一度仰いました。

「その子が望む生活はどんなのか。
その子がどうしたいかが大事なんです。」

この日の話の全てに納得できたわけではなく…
病名のこととか専門的すぎて理解しきれずモヤモヤはしますが、
(起立性調節障害って病名でいいやん…症状あるんやし…)
睡眠専門医さんが仰りたいことは分かりました。
とても子どものことを思ってくださっていることも伝わってきました。
うみに
「ごめんね~こっちでずっと喋っちゃって。」
と最後に声をかけてくださいました。

私もこれ以上お時間をとっては申し訳ないと思い、まとめるつもりで、
「起立性調節障害のこと、わかった!って思う瞬間があるのに、
時間が経つとその理解でよかったのか分からなくなるんですよね…。
今もわかる部分もあるけど、わかるようなわからないような…」
と睡眠専門医さんに言うと

「大丈夫!大丈夫!
僕らもよくわかってないから!」

エェェ(;゚Д゚)ェェエ工

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