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「先生、自信を持ってくださいね」

約1年noteの更新ができていない状態ですが、
今現在のわが家の事をお伝えしたいと思います。
時系列に更新できなくてちょっと悔しい…。

生活は日々積み重なっていき、
2021年の秋には真ん中娘のうみも
起立性調節障害と診断されました。
そらを凌ぐ頻脈(POTS)で。
春にかけて2人の起立っ子が常に家にいて、
ベッドに横たわっていました。

末っ子のりくは小学1年生になり、
担任の先生に恵まれ毎日楽しく通学していました。
上の子2人が起立性調節障害になったことで、
こんなに元気に毎日を過ごしているりくも、
いずれ起立性調節障害になるのだろうか…、
と考えるようになりました。
だからこそ、今のこの元気な時を楽しむことにしました。
それと共に「体質と付き合っていくということ」も考えられるようになりました。

目指すところは「治る」ではなくなりました。

✎︎____________
そらは高校受検を経て、
全日制高校に進学しました。
スイミングを始めてからずっと目指していた
水泳部のある高校です。
最終判断は願書提出1か月前という、
ギリギリのタイミングでした。
前々から何度も専門医さんに、
「秋の体調で高校を決めること。
秋の体調が春にくる。」
と言われていました。
実際、高校受検の判断材料として受けた11月のHUT試験結果はとても悪く、
私もそらも通信制で考えていました。

ところが。
年末から普通に起きてくる日が増えました。
夫とも
「最近スっと起きてくるね。」
と話すくらいに。

後からそらが
「起きたらしんどくなかった。
そんな日が続いた。」
と教えてくれました。
専門医さんから聞いていた
「ある日突然やってくるしんどくない朝」
が、そらにも来たのか…と、
良かった!と嬉しい反面、
本当に?という疑う気持ちもありました。

それからすぐに学校に行ける日が増えたわけではありません。
約2年…、全くと言っていいほど登校できていなかったので、
教室に行く意味がない時間があります。
主要科目は夕方の水泳前の塾(学研)で補っていただいていたものの、
特に積み重ねが必要な教科は、
周りの子たちと同じ教室で同じ勉強をできるわけがないからです。

その事は起立性調節障害になった初期に中学校側とは話し合いをしていて、
空いている相談室を、そらの待機場所として確保していただいていたいました。
専門医さんからいただいたアドバイスのひとつで、
「保健室には行きたくない気持ちは分かる。
当たり前や。
空いてる部屋があれば用意してもらうといいよ。」
と。
その事を地元小児科医さんに伝えると意見書に書いてくださり、
Dr.の後ろ盾を得たおかげでスムーズに中学校にお願いすることができました。

ほとんど使われることのなかったその場所が、
しんどくない朝がきたそらにとっての
「学校に行ける条件の1つ」
になりました。

登校できた日は、みんなと学習できる体育や音楽、社会などは教室で学び、
数学や英語など積み重ねが必要な科目は、
相談室で1人、自主勉しました。
中学校はそれを認めてくれました。
あらかじめ授業内容をそらに伝え、
「こんな内容だから教室でできるんちゃう?
どうする?」
と確認もしてくれました。

年が明けて2月のHUT試験で、そらは、
異常なし
でした。
私はモニターに表示される数値を
夢をみているみたいに眺めました。

✎︎____________

この間、受検先を迷いに迷いましたが、
睡眠専門医さんの
(睡眠外来へ通院し始めた話もまた更新しますので!)
「体調にあった高校もいい。
起きる理由がある高校もいい。
今、体調が良くなってきてて、勢いがあるなら、その勢いを止める必要はないん違うかな?
全日制から通信制には何時でも転校できるけど、逆はできやんし、
またその時考えたらいいん違う?」
という軽~い感じ(笑)のアドバイスが
そらにはしっくりきたようで、
その時、今の全日制を受検することを決めたようです。

それから、ゆっくりゆっくり、無理をせず、
登校する日を増やし、
少しずつ日中の体力回復を目指しました。

✎︎____________

長い間noteを更新していなかったので、
前フリが長くてすみません。

そらは今、毎日登校しています。
水泳部に入り、朝練にも参加しています。
4月は遅刻欠席0でした。
通学は私と主人で送迎しています。

今、中1になったうみの担任の先生が、
そらの進路指導だった先生なんです。
その先生に、そらの今を報告すると、
「通えるかとても心配だったから、
そんな話を聞かせてもらえて、本当に嬉しい。」
と、とても喜んでくださいました。

ここからは、
起立性調節障害の子たちと関わる先生たちにも
お伝えしたいことです。
義務教育段階の中学校での取り組みなので、
高校ではまた違う対応が必要になるとは思います。

そらの事で中学校に対応してもらったことは…

欠席の電話連絡はしない。
   (基本、登校できない。)
   登校できる時に電話連絡をする。

※登校できた時、「今日は体調が良いんやな。良かったな。」と、学校に来たことではなく、体調が良いことを喜んでほしい。

※欠席が長期にわたるときは、給食をとめる。
   (登校できた時、余っている給食を用意してくださいました。「そんなこと心配せず、来れるならおいで」と言ってくださる先生方でした。そんな学校ばかりではないと思いますが…。)

※体調が悪くなった時過ごす保健室以外の部屋の確保。
   (後の自習室。)

※授業中眠ってしまっても、無理に起こさない、叱責しない。

※脳血流低下のため、学習にむかえる状態ではないことへの理解。

動ける時間が限られているので、その時間は本人のやりたいことをやる。

体調に関しては、本人に確認。
   早退も本人の判断で、無理をさせない。

などです。

一見とても自分勝手な要望に見えるかもしれません。
ですが、どれもそらには必要なことでした。

最近、
うみの担任の先生と、こんな話をしました。

「そらが回復して、
こうやって高校に通えているということは、
うみにもいつか
そらのように
しんどくない朝がくるはずだと思えるので、
私はそらの時より落ち着いていられます。
そらの時はどうなるか分からなさすぎて、
ものすごくしんどかったんです。」

(そうですよね…。)

「私たちが学校にお願いしたことは、
一見甘やかしのように思えることもあったと思います。」

(いやいや、そんなことないです!)

「いいえ、そんなに甘やかしてどうするんだ、
もっとがんばらせろって思う先生は
必ずいらっしゃいます。
でも、無理強いせず、本人の気持ちを尊重して、受け入れ、見守ってきてくださったおかげで、
こうやってそらは回復しました。
分かってくれてる、
いつでも受け入れてもらえる安心感があったからこそ、
思うように登校できなくても、
学校への気持ちがなくなることはなかったんです。」

「クラスのみんなもそらのことを受け入れてくれて…
だから体調が良くなったら途中からでも登校できました。」

「先生、自信を持ってくださいね。
こういう取り組みってすぐに結果が出ないから、このやり方でいいのか、ものすごく悩むし、迷うと思います。」

(そうですね。
ほんとにこれでいいのかなっていつも思います。)

「私もずっと本当にこれでいいのか、
もっと他にできることがあるんじゃないかとか、
ずっと迷って悩んできました。
そんな時は、そらのことを、
回復した子がいるって思い出してほしいです。」

(とても励みになります。)

「みんなに当てはまらないかもしれないけど、
でも自分たちは間違ってないんだって、
自信を持ってほしいです。
先生、本当にありがとうございました。

うみのことも、よろしくお願いします。」

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