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水草水槽に設置する濾過装置の選択肢とは?

◆はじめに

お世話になってます、ぼのぼのです。

このページでは、水草水槽に設置する濾過装置について、濾過形式毎に特徴を解説していきます。

現在、各社から様々な濾過製品が発売されていますが、水草水槽に設置し不都合の少ない濾過装置は、実はそれほど多くありません。

水草水槽に設置できる濾過装置、、、という限定的な条件ではありますが、このページの内容が、読者の方が濾過装置を選ぶための一助になれれば、嬉しく思います。

◆主な水槽用濾過装置一覧

水槽用に用いられる濾過形式は、大きく分けて下記の5つです。
※形式毎の利点・欠点は後述しますので、ご参考まで。

  1. 投げ込み式フィルター ・・・例)水作エイト

  2. スポンジフィルター     ・・・例)P-1

  3. 上部式フィルター         ・・・例)トリプルボックス

  4. 外部式フィルター         ・・・例)2213

  5. 外側式フィルター         ・・・例)プロフィットフィルター

↑愛用者の多い投げ込み式フィルター

◆濾過装置に入れる濾材毎の役割とは?

濾過装置は単体では単なるケースでしかないため、水槽内外に設置する1〜5濾過装置内には、実際に濾過を行うため「濾材」と呼ばれる製品を投入します。

1〜5の濾過装置に投入される「濾材」は、共通して下記の役割を担っています。

  1. 漂流物を濾し取り、水槽水の透明度を上げる「物理濾材」

  2. 水槽水含有の有害物質を、低毒な硝酸塩に変換する「生物濾材」

↑代表的な物理濾材(メック)と生物濾材(サブストラット)

また下記効果を期待して、「化学濾材」を追加する方も居ます。

  1. 着色・悪臭・重金属類を除去(吸着)する「ブラックホール」

  2. pHの固定・硬度低下・硝酸塩を除去(吸着)する「リバースグレイン ソフト6.8」

↑代表的な吸着剤

◆水草水槽に使える濾過装置は、実はそれほど多くない…?

水草水槽の濾過器を選定する際、下記がおおよその基準として使うことができ、便利です。

  1. 流量は水槽水の8倍以上にする

    1. 60cm×30cm×36cmの水槽に、7cm低床を敷き、水槽水を上辺から2cm下まで注いだ時の水量は約50ℓです。

    2. そのため、濾過装置の最低流量は400ℓ/時が目安となります。

  2. 光源を遮ったり、水面が激しく揺れないものにする

    1. LEDが水槽全体を面照射出来るように設置するため

    2. 曝気による、溶存二酸化炭素の放出を防ぐため

したがって、1〜5で紹介させていただいた濾過装置の内、1〜3の濾過フィルターは、水草水槽で使用するのが難しく感じます。

  1. 投げ込み式フィルター

    1. 流量不足&濾材構成を変更しづらいため

      1. 吐出量の18%前後が実質流量となることが多いため、毎分1ℓのエアーポンプを繋いだ際の流量は約11ℓとなり、パワー不足。

    2. スポンジフィルター

      1. 流量不足&濾材構成を変更出来ないため
         ※不適な理由は投げ込み式フィルターと同様

    3. 上部式フィルター

      1. 水槽上部を占有してしまい、LEDで水槽全体に面照射するのが難しくなるため

      2. 落水させる形での排水や、濾過槽内で曝気される方式の製品が多く、水草の生長に必要なCO2が、空気中に放出されやすいため

◆では、60cm水草水槽にベストな濾過装置&濾材構成とは?(※予算に余裕がある場合)

・濾過装置
    →エーハイム 2213
・濾材(濾過槽下から上の順番)
    →取水(下部)→粗目スポンジ→ガラスリング(M)
         →ブラックホール→厚めゲルマット
              →リバースグレイン ソフト6.8→排水(上部)

↑定番 外部フィルター エーハイム 2213

◆コスパを重視した場合の、60cm水草水槽にベストな濾過装置&濾材構成とは?

・濾過装置
    →寿工芸 プロフィットフィルターBig
・濾材構成
   →ガラスリング(M)→スポンジ(付属)
        →ブラックホール→リバースグレイン ソフト6.8

↑より安価だが高水準で纏まった外掛けフィルター
寿工芸 プロフィットフィルター Big

◆水草水槽における濾過槽容量への考え方

また、濾過装置を選定する際、よく話題に上がるのが、その濾過器がもつ濾過槽容量です。

↑エーハイム 2213の濾過槽容量と流量

そしてこの話題は、濾過槽容量がより大きいほど優れた濾過装置である、、、という着地になりがちです。
※濾材が多く入るほど、濾過能力が上がるため、水槽水質の維持がしやすい、、、という思想ですね。

上記思想は、基本的には正しいのですが、水草水槽に設置する濾過装置であれば、濾過槽容量(濾材量)についてシビアに考える必要は基本ありません。

なぜなら、生体に致命的なダメージを与えるアンモニアは、水草が生長のために根から吸収するからです。

また今日では、重金属類も換水の時点で中和されていることが多く、良い化学吸着剤も沢山発売されているため、メーカーが設定した水槽サイズ内であれば、濾過不足に悩まされるケースは原則ありません。

そのため、要求水準以上のハイスペックな濾過装置を、無理して購入する必要はない、、、と私は考えています。

◆では、何を重視して濾過装置を選べばよ異のでしょうか?

流量 & LEDの設置場所確保 & 溶存二酸化炭素を曝気させない方式、、、であることに加えて、水草水槽に設置する濾過装置を選ぶ際に、最も重要な項目は、入れる濾材の種類やその順番を、「自身で自由に変えることが可能」か否か、です!!

なぜなら、濾過槽を自由にカスタマイズ出来る濾過装置であれば、水草水槽を維持していく上で発生する、多くのトラブルに対して、柔軟に対応することが出来るからです。

例えば・・・

  1. 水槽水の白濁りが気になる場合

    1. ウールマットを設置後、凝集剤を投与することで除去(吸着)が可能です

  2. 水槽水の黄ばみや悪臭が気になる場合

    1. ブラックホールを追加することで、除去(吸着)が行えます

  3. 水槽内のアオミドロや黒髭苔が気になる場合

    1. リバースグレイン ソフト6.8を追加し、GH・KHを下げることで、苔類の生長を抑制することができます

↑また、上記①〜③の濾材を恒常的にセットすることで、水草水槽を維持&管理する上で発生しうる多くのトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

◆オススメの水草水槽用濾過装置(再掲)

A.濾過装置 :エーハイム 2213
・濾材(濾過槽下から上の順番)
    →取水(下部)→粗目スポンジ→ガラスリング(M)
     →ブラックホール→厚めゲルマット
     →リバースグレイン ソフト6.8→排水(上部)

↑汚いスケッチで申し訳ない…

B.濾過装置:寿工芸 プロフィットフィルターBig
・濾材構成
   →ガラスリング(M)→スポンジ(付属)
   →ブラックホール→リバースグレイン ソフト6.8

↑汚いスケッチで申し訳ない…②

※A,Bのどちらかであれば、静音性・流量・カスタマイズ性の全てをクリアしているため、オススメです。

※更に、エーハイム 2213であれば、取水ホース内にCO2を強制添加(インライン化)させることが出来るため、より効率的にCO2添加を実行できます。

↑外部フィルター内でCO2添加が行えるようになる製品

◆まとめ

  1. 水草水槽(60cm)の濾過装置は「エーハイム 2213」 or 「寿工芸 プロフィットフィルターBig」がオススメ

  2. 濾材は硬度に影響が少なく安価な「新グラスリング(M)」と、繰り返し使える「粗目スポンジ」&「厚めゲルマット」、使い切りだが効果の高い「ブラックホール」「リバースグレイン ソフト6.8」がオススメ

  3. 上記構成であれば、水槽管理トラブルの予防 & 対処が楽になるため、費用対効果が高い

◆おわりに

今回は、私の濾過装置への考え方と、オススメの濾材構成について記載させていただきました。

かなりの長文となり、分かり辛い説明もあったとは思いますが、一部でも参考になる箇所があれば嬉しく思います。

ご高覧いただき、ありがとうございました。m(_ _)m

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