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1ヶ月間無換水で水槽環境を維持する方法とは?

◆はじめに

お世話になっています。ぼのぼのです。
今回は、換水頻度を下げるをテーマに記事を投稿させていただきます。

◆基本的に水槽管理(維持)には、換水作業が必須である

私は以前のNote記事でも記載させていただいた通り、換水を水槽管理において必須の作業だと考えています。

加えて、一般的に換水頻度が高いほど、水槽環境の状態が維持しやすくなるため、週1回以上の換水が定石とされています。

そのため、トラブルなく水槽管理を行うためには、換水頻度は延伸させたとしても、2週に1回までが限界となることが多いです。
 *60㎝×30㎝×36cm以下の規格水槽の場合

◆それでもやっぱり、無換水で水槽を管理(維持)したい。。。

とはいえ、週1回以上の換水は、私生活の限られた自由時間の多くを、水槽管理作業のみで塗りつぶしてしまうことに繋がります。

そのため、高頻度の換水作業を実施し続けることは、多くの人にとって現実的には難しいのではないでしょうか…?

特に忙しい社会人の方や、沢山の水槽をお持ちの方にとって、今回紹介させていただく方法で、換水頻度を無理なく下げれるのであれば、よりアクアを趣味として長く続けやすくなるのではと考えています!!

以前までの私は、生物(生体や水草)を飼育するのであるから、管理時間が増加してしまうのは、致し方ないことだと諦めていました。しかし、自身の管理する水槽(現在22個)が増え、仕事も忙しくなった時期に、換水頻度を下げる試みは、長くアクアを趣味として続けていく上で、重要な要素だと考え直すようになりました。

◆ずっと無換水は無理!!…でも、環境を整えれば換水を1ヶ月しなくても大丈夫になるよ

現在でも、永久に無換水で水槽環境を維持する方法には、辿り着けていません。
しかしながら、1ヶ月間であれば無換水でトラブルなく、水槽環境を維持出来る手法を確立しました。

追加で機材購入が必要となる場合も多く、水草水槽限定であるため、万人向けではないかもしれませんが、ご興味あればご覧ください。

◆換水作業を1ヶ月置きに延伸させる方法とは?

換水頻度を1回 / 1ヶ月にまで下げる条件を下記に纏めさせて頂きます。

  1. 60cmレギュラー規格以上の水槽(推奨)
    →理論上、60cm未満の水槽サイズでも実現可能なはずですが、他条件との兼ね合いもあり、上記を推奨サイズとさせて下さい。

  2. 水草
    →入手難の水草を用いる必要はなく、また逆に、用いることができない水草も原則ありません。
    →ただ、レイアウトする上で可能であれば用いていただきたい品種は、いくつか存在するため、いくつかの構成パターンを参考例として掲載させて頂きます。

  3. 外部フィルター
    →専用のろ材構成で運用する必要があるため、外掛け式フィルターなど、他の濾過方式フィルターで代用することは難しいです。

  4. CO2添加装置
    →運用上、水草の闊達な光合成が必要不可欠であるため、こちらも必須となります。

  5. 低床(津軽プレミアム)
    → 低床は津軽プレミアム推奨です。
    *ソイル使用時に発生する、リン固定による水草の生育不良。またそれに伴う水槽環境の崩壊を予防するため、ソイルではなく、津軽プレミアムを7㎝以上敷き詰めるセットアップをお勧めします。

◆セットアップ編(水槽設置関連)

下図を参考に、水槽の立ち上げて下さい。

色々、試した結果、上記2パターンが、外部フィルター1機で実現できる、最大効率の濾過&水流方式になります。
※上記設置方法は、水槽内全体に澱みなく水流を行き渡らせ、効率的に攪拌し、コケや有害細菌のコロニー形成を継続的&物理的に阻害できるため、トラブルなく水槽管理し続けやすくなります。

◆セットアップ編(濾過機材構成)

下図を参考に、濾過器材を設置して下さい。

今回、ろ材として採用した、三石耐火煉瓦社(株)製の「凹凸ロック」は、水質に影響なく、硝酸塩を窒素ガスに還元する嫌気性細菌を定着させることができる、優れたろ材です。

同ろ材を採用することで、通常は水槽内に蓄積し続ける有害物質(硝酸塩)を、窒素ガスに還元(=脱窒)し、水質悪化スピードを遅延させることで、換水頻度の延伸が可能になります。

ガラスリング部分は、サブストラットでも構いません。
ただ、サブストラットは硬度への影響が否定できないため、ご都合に合わせてご選択ください。

リバースグレイン・ソフトは、水質の急激な変化を緩和する保険的役割として、濾過槽内に採用しています。
ただ、商品単価がやや高額なため、場合によっては省いていただいても構いません。

 ↓参考画像:濾材変更(凹凸ロックの採用)により、硝酸塩の除去が可能か検証時の一覧表
(※結果、濾過槽内で問題なく硝酸塩を除去することが出来ました)

※水槽A,B,Dは硝酸塩の除去が可能な「凹凸ロック」を採用した濾過槽
水槽Cは硝酸塩が除去出来ない「一般濾材」を採用した濾過槽

◆セットアップ編(重要な水草とその植栽例)

下記を参考に、水草を植栽ください

・A群(下記から1種1株以上を水槽に植栽する)
→小型のエキノドルス(レニ、セントエルモスファイヤー、オゼロットなど)
→細葉系クリプトコリネ(バランサエ、スピラリスタイガー、クボタエなど)

A群の水草は、根張りが広範囲かつ、底床からの栄養吸収が旺盛な種類です。
上記特性により、底床内の栄養過多を改善し、嫌気層の発生を防いでくれます。

※肥料喰いとして有名なグロッソ・スティグマは、根が短いため、残念ながらA群水草と同じ用を成しません。

・B群(下記から1種5本以上を、2-3種以上区画植えする)
→メキシカン・バーレン
→ロタラ・バングラディシュ
→パンタナル・レッド・ピンネイト
→ニュー・オランダ・プラント
→アメリカン・スプライト・ベトナム
→トニナ類

B群の水草は、生長がとても早い種類です。
生長に際し、水中の窒素・カリウムを旺盛に吸収し続けるため、水槽バランスの維持に貢献します。

・C群(可能であれば水面に1本浮かべておく) 
→ブリティッシュ・ホーンワート

ブリティッシュ・ホーンワートは、水槽水硬度により草姿が大きく変化します。
その特性から、浮かべておくだけで、現在の水槽水GHを知るためのマーカーとして機能するため、非常に有用です。

左:硬度が高い水槽の場合の草姿
右:水槽水の硬度が適切な場合の草姿

◆セットアップ編(用いる低床と固形肥料)

底床は、前述の通り「津軽プレミアム」を推奨いたします。
また、根張りが旺盛なA群水草を管理するため、最薄部でも7㎝以上敷いて下さい。

固形肥料は、「ネクスコート(バラ用)」を推奨します。
N-P-K比が谷型かつ、尿酸態窒素が含まれていないため、アクア環境でも使いやすいです。

また、樹脂コーティングにより、栄養成分の溶出スピードがほぼ一定なので、
コケ発生のリスクが小さく、着色&濁りも発生しません。
何より園芸用品なのでめちゃくちゃ安いです!!(笑)

津軽4kgにつき、ネクスコート10gを混ぜ込みます。

◆CO2の滴下目安量

拡散器よる水槽内添加の場合は、3−4滴 / 秒で添加。
インライン化している場合は、1滴 / 秒で添加すると、上手く行きやすいです。

◆セットアップ編(メンテナンスフィッシュの種類と数、その構成例)

下記を参考に、メンテナンスフィッシュを導入して下さい。

・基本構成
→オトシンクルス(20匹)&ヤマトヌマエビ(10匹)&シルバーフライングフォックス(1匹)&ヒメタニシ(10匹)

・別構成(エビやオトシンクルスを混泳させずらい場合)
→ブッシープレコ(2匹)&シルバーフライングフォックス(2匹)&ヒメタニシ(20匹)

◆日々の管理編

下記を参考に、日々の管理を行なって下さい。

1回(5ml) / 週の頻度で、「リキダス」を水槽に添加

リキダスは酸性溶液中で腐食作用の働く、フルボ酸を含んでいるため、
アレオパシーによる水草の生育不良を軽減・緩和するために有用です。

Aという植物が、A以外の植物の生理に影響(栄養吸収や生長の阻害等)を及ぼすために産生する物質の総称。また、その効果が及んでいる状態を「アレオパシー」と呼ぶ。

アレオパシーとは?

◆おわりに

今回の記事では換水作業の延伸手法について、情報をご共有させていただきました。

かなりの長文で、解りづらい箇所も多々あったかと存じますが、皆様のアクアライフの一助になれば幸いです。

不明点・ご質問等あれば、掲示板よりお気軽にお問い合わせ下さい。

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