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①コーヒーの真実

コーヒーが好きな日本人

 町を歩いていると、多くのコーヒーショップを見かけます。
 最近ではコンビニで安くて手軽な挽きたてのコーヒーが飲めるようになりました。
 日本って、世界でも有数な「コーヒー消費国」で世界のコーヒー輸入国の中でもトップ5に入ります。
 (世界の1人当たり消費量 出典:全日本コーヒー協会)

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 いずれ書きたいと思いますが、ヨーロッパは貴族の時代からコーヒー文化が根付いています。EU内ではルクセンブルグの消費量が圧倒的だそうですがその理由は「税率が低いので、隣国からも買い付けに来るため」だそうです。(年間1人当たり26.5㎏。統計的にややこしいのでランキングから外しました。)
 ノルウェーやスイス、EU内ではフィンランドなども消費量が高いですが、北欧などではコーヒーの薬効効果(血流や代謝の改善など)が日照時間の短さをカバーして心身の健康を保つ飲み物として習慣や文化の中に溶け込んでいるからのようです。
 日本では1877年に本格的な輸入が始まりましたが、当時の生豆輸入量は年間18トン。貴重な飲み物だったんですね。
 それから徐々に増えて1937年には8,571トンまで増えましたが戦争で輸入が停止、1950年頃に輸入が再開し2019年には生豆に換算して482,596トンに達しています。
 それほど輸入が増えたコーヒー。嗜好飲料として国内で消費されている量は470,213トン(2018年)で、緑茶(85,928トン)や紅茶(16,258トン)を大きく上回っています。
 本当にコーヒー好きなんですね。日本人は。

国民飲料の座を獲得したものの・・・

 コーヒーの歴史をたどってみると「嗜好品」よりは薬草として広がってきていることが分かります。西洋では「不老不死の薬」日本では江戸時代に「薬草唐茶」と呼ばれていました。
 昔のひとたちは、体にいい成分が含まれていることに気がついていたのですね。西洋の貴族にとって「永遠の富」と「不老不死」は最大のテーマだったのだと想像されます。不老不死の薬草を求めて、遠く東洋までスパイスやコーヒーを手に入れる冒険に出ていたのでしょう。子どもの頃に読んだ冒険マンガのようになんともワクワクしてしまうような物語です。
 その裏にあったのは、支配者や商人の「効率的に利益を独占したい」という思いでしょう。
 国民飲料のトップの座を獲得したものの、コーヒーはタバコと同じ「嗜好品」として扱われて鮮度はあまり問われません。本来の効能や新鮮さなどはあまり考えられず提供され、賞味期限も経済効率上都合がいい期限が充てられてきたように思えます。

コーヒーは生鮮食品

 「生鮮食品」で「酸化する」シロモノだということはあまり認識されていません。アルカリ性食品として抗酸化作用があるようですが、ある研究者の話では「豆の状態で7日、粉にして3日、抽出して30分」を過ぎると酸化が進みコーヒーの効能が下がり「エグイ酸味」「胸やけ」などにつながるそうです。
 写真のように、コーヒー豆は「コーヒーチェリー」の「タネ」で生鮮食品なのだと納得できます。

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 コーヒーの酸化はリンゴの皮並みだそうです。確かに、皮をむいて30分上経ったリンゴはおいしく感じませんよね。 
 疲労回復、精神リラックス、抗酸化作用、血流改善・動脈硬化防止等・・・コーヒーの効能と言われるものです。
 ポリフェノールを多く含み、昔の貴族が「不老長寿の万能薬」として求められたくらい体にイイ飲み物なのですが、私たちが口にする段階で酸化が進みせっかくの効能が失われているのです。
 だから、私は生豆から自宅のガスコンロで焙煎するのが一番新鮮でおいしいコーヒーです。コーヒーが苦手でも「これなら飲める。」という方が多いです。
 日本で一番多く飲まれている国民飲料がコーヒーであるからこそ、健康に寄与するものでなければならないのではないでしょうか。単にお金もうけのための商品にしてはならないのです。

人を良くすると書いて食、食に欠かせないと書いて飲

 この言葉のとおり、食と飲を改善することが健全な心身をつくるという考えがありますが、私はその通りだと考えています。
 焙煎技術・淹れ方・ブレンドの調合具合・水・・・と「おいしいコーヒー」の技術は様々ですが、一番大切なのは素材(鮮度と豆の品質)なのではないでしょうか。
 コーヒーの実に滋養強壮的な力が与えられたのか。それは育ててみるとと分かりますがコーヒーノキの苗はちょっとした環境変化ですぐに枯れてしまいます。子孫を残しにくい弱い者だから、強い力を神さまは与えてくれたのかもしれないと想像しています。
 人も、弱さの逆にある自分にとっての「得意な力」を武器にすることができれば変化や様々な圧力に対するレジリエンス(耐える力)を得ることができると信じています。

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