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パリ在住トップフローリストに学ぶ、仕事術と生き方 vol.4


努力したら、道が開けた


インタビュー前半では、由美さんのフラワーデザインの秘密と、仕事を生む、という事についてお話を伺いました。
よどみなくまっすぐに話す由美さんからは、ポジティブなパワーを感じます。どうして、いつもそんなに前向きでいられるんだろう?その原動力についてもお話を伺いました。

B : どんどん新しい道を切り開いてきた由美さんは、本当にパワフルですごい!と改めて思いました。辛いこともたくさんあったと思うのですが、ここまでやってこれたチカラの源、原動力は何だと思いますか?

Y:まずはトルチュに入りたかった気持ち。入るまでに半年くらいかかったのだけれど、その間、日にちだけが過ぎていく焦り、家族を日本においてまで来たのに、何をやってるんだっていう思いもありましたが、だからこそ絶対にあきらめなかった。他の店に行くことも頭をかすめたけど、やっぱり違うと。
世代もあると思います、欲しいものがはっきりしていて、頑張って働けば手に入れられるっていう時代でしたから。叶えるまでの努力は苦じゃなくやれるし、どうしても欲しいものはあきらめない。性格もあると思いますけどね。

あきらめない心。実はディプロマレッスンでも、これは合言葉のようになっていました。太い枝の大きなブーケが課題としてあった時、もう無理、持てません~!と思っても、「あきらめない心!」と唱えると不思議と力が湧いてきて、最後まで束ねきることができるのです。ディプロマ修了後も、日々の生活の中であと一歩を頑張らせてくれるお守りの言葉として私を支えてくれています。

これは日本でのディプロマコースレッスンを任されている由美さんの右腕、金山幸恵さんからかけられた激励の言葉でしたが、そうして最後まであきらめないでやりきることで自信がつき、さらにまた頑張れる、という良い循環を生みだしてくれています。ディプロマレッスンは道場とも呼ばれていたのですが、花と向き合うと同時に、自分とも向き合う時間だったなと改めて思いました。

色を混ぜすぎずシックにまとめるのがパリスタイル



B : 初めはトルチュで働きたいという思い、それが叶ってからも次々に目標を見つけて頑張ってきたという感じですか?


Y:念願かなってトルチュに入れて、めちゃくちゃ頑張って働いて認めてもらえて、楽しくて仕方がなかった。でも次に、滞在許可の延長という問題が出てきたんですね。トルチュでは許可が取れず、そうしたら元同僚が移った店のオーナーが私の働きぶりを聞いて興味を持ってくれて、店に来ないかとスカウトしてくれた。滞在許可も取ってくれて。そこでも一生懸命にやって、でも自分のレッスンが増えてきてどうしようかと思っていたら、レッスン場所を貸してくれる人が現れて、フリーになり、ローズバッドもオープンしてそこでレッスンもできるようになり。何かに導かれているようでした。その場で一生懸命やっていたら、道が開けていた。

B : 由美さんの一生懸命さが、道を切り開いたのですね!

Y:そうだと思うよ~。でも頑張るしかないよね、私が居たくてフランスにいさせてもらってるわけだから、貢献しないとね。

う~ん、すごい!色々と大変な異国での生活の中で、貢献というワードはあまり出てこないと思うのです。由美さんの長年のビジネスパートナー、ヴァンソン・レサール氏も「由美は惜しみなく与える人」と、由美さんの3冊目の著書『ブーケシャンペトル・ア・ラ・メゾン』の前書きで述べています。個人主義のフランスにおいて、自己主張の強さは必要なことでしょうが、周囲への気遣いや優しさは人の心を打つものです。あきらめずに頑張る強さだけでなく、優しさや感謝の気持ちを忘れないからこそ道は開け、パリでの成功につながったと思うのです。

ディスプレイもパリは素敵!



フランスから引き揚げて、日本に戻ろうと考えたことは一度もないと言う由美さん。パリ帰りなんていっぱいいるから、日本では私、商品価値ないと思うよ~と冗談めかして語りながらも、そうやって自己分析できているところ。いつもユーモアたっぷりにお話をしてくださるのですが、地に足の着いた冷静さも感じます。
そんな由美さんが、最も大切なことだと言う「自分を知ること」について、最後に伺ってみました。

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