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【詩】もうとっくに

あと三十分
時計の針
ゴミ捨て
あめが続いていた

風鳴り堂からまっすぐ丘へ
たまに傷とあれ
たまに聞くわたしの声
暴飲暴食
もういいんだと恐縮

晴れた日に
あのこは動物園に
帰ってきたら泣いていた
雨雲がこもる

雀が飛ぶ度、聞こえる足音
そろそろ起きる時間なのか
しびれる右手に
伸びる背中

混じり合わない色の先に
もうわかってくれなど
言わないことにした
君がわからない
僕が君をわからないように
瞼を閉じる瞬間など
無意識の仕業だし
暗雲、安穏、アンノウン

人は誰もが誘拐犯で
常に誰かの何かを奪って生きる
朝方のあくびと同じように
大したこともなく
気付かない間に
日常の中に繰り返される

眠たくなってきた
また瞼が閉じるのだろうか
それとも
そろそろ起きる時間なのか
もう十分過ぎた

あめはとっくにやんでいた
そう、もうとっくに
もう、とっくに
生まれ変わっているのかもしれない



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