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【詩・ポエム】Vol.29

『月明かり』

今日という日に

泣いている人あれば

笑っている人もあり

無数の家が建ち並び

その数だけ人がいる

無数の人が泣き笑い

その数だけ色がある

だからその色をかき消すように

夜は闇を連れて来る

月明かりよ

闇が深くならないように

その光で照らしてやって欲しい

彼女は今

泣いているのだから

§

『子猫の行方』

きっと子猫は散歩に行った
ママとパパは心配している

きっと子猫は散歩に行った
ママとパパは泣いている

きっと子猫は散歩に行っただけなのだ
僕はそう信じている

ベイビー
早くお家に帰りなよ?
ママが待っているんだぜ

ベイビー
早くお家に帰りなよ?
パパが探しているんだぜ

うん?
あぁ、そうか
うん、わかった
そしたらお家に帰りなよ?

§

『希望』

僕の悲しみなど
あなたの悲しみに比べれば
大したことなんかではない

僕の憂いなど
あなたの憂いに比べれば
大したことなんかではない

僕の憤りなど
あなたの憤りに比べれば
大したことなんかではない

僕の希望など
あなたの絶望に比べれば
大したことなんかではないかもしれないが

あなたの希望が
僕の希望の大きさと
同じくらい大きくなればいいな

§

『休眠打破』

私は太陽になりたい
それは時に温かく
私は太陽になりたい
それは時に明るく
私は太陽になりたい
それは時に大きく

私は桜になりたい
それは時に太く
私は桜になりたい
それは時に鮮やかに
私は桜にになりたい
それは時に華麗に

あぁ、それでも私は人間なのだ
私には何もできない

だからせめて太陽よ
あの人を温めてあげてくれ
だからせめて桜よ
あの人を慰めてあげてくれ

あの人は今
冬の寒さに凍えている
あの人は今
まだ来ぬ春に泣いている

あぁ、私は人間なのだ
私には何もできない

だからせめて私は
ただただ春の訪れを祈り
待っていようと思う

§

『明日』

明日になれば何かが変わるなんて

思って眠りについたとて

起きてみれば何も変わっちゃいない

それでも明日はやって来る

だからそのまた明日になれば

また明日になれば何かが変わると

思って眠りにつくのだろう

そして起きてみれば何も変わっちゃいない

それでもまた明日はやって来る

だからそのまたまた明日になれば

またまた明日になれば何かが変わると

思って眠りにつくのだろう

それでも起きてみれば何も変わっちゃいない

それでもそのまたまた明日はやって来る

明日、明日、また明日

またまた明日、そのまた明日

そしていつか

その明日が

あなたにとって

幸せな日となりますように


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