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魚谷侑未に多井隆晴の声は届かなかったのか?

魚谷も自身のノートで触れてましたが

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この場面を考えたいと思います。

この白をスルーとした場面です。

僕の中の結論としては鳴きの方が良いかな、と思います。

1.点数状況と各家の動向

そもそも下家の勝又と2800差しかないので、聴牌不聴で逆転を許してしまうのが厳しい。

この白をスルーしてしまうと、ほぼほぼ聴牌すら諦める展開になります。

そしてラス目の勝又が降りるとは考えづらいです。

しかも上家の多井はほぼ確実に配牌降りを決め込んでます。

親もかなり前に出やすい状況が生まれてしまっています。

放っておいたとしたら、上がるのは親の藤崎かラス目の勝又。

かなり前に出ることが許される状況だと思います。

2.配牌降りを使いこなす多井隆晴

Mリーグでは珍しいんですが、多井って結構配牌降りを使うんですよ。

配牌降りってライト勢には見栄えが悪いかもしれませんが、こういう場面ではかなり使える技なんですね。

なので、もっと配牌降りを使うプレイヤーが居てもいいくらいなんです。

今回の局面でも

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2枚目の4s手出しでチートイ否定を見せびらかしている。誰に?

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そして5pツモ切りで染まっていないこともアピール。誰に?

いや、もちろん残りの3者ともに気づいているとは思うんですよ。

しかし、果たして多井が誰に一番アピールしたかったか、と言われれば、それは下家の魚谷にではないでしょうか。

仮に国士狙いだとしたら、捨て牌が無神経というか、無遠慮すぎませんか?あの多井が?

何か他にメッセージが込められていないだろうか?

だとしたら誰に?どんな意図を伝えようとしたのか?

3.上家の多井からのアシスト

魚谷も自身のノートで触れてましたが

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藤崎のこの8sの手出しはかなり雰囲気出てたんです。

雰囲気とかいうとデジタル民に怒られそうなんですが、これはかなり雰囲気出てたんです、ほんとに。

だからこそ、多井もこの親の手出し8sを境として

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とにかく親へと当たりそうにない牌を連打していましたね。

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魚谷がここで2p切りと白切りの2択を迫られた場面について

「多井さんがそれなりに場に強い中張牌を切っていたので、最悪の国士放銃のケースを避けました」

と書いていましたが、むしろ強い中張牌を切っていたのは、親が聴牌する前に少しでも親の安全牌を残して、将来親に当たりそうな牌を切りたかった、と考える方が自然かと思います。

だからこそ、親から雰囲気の出た8s手出しを境に明らかに多井の打牌が変化したに違いありません。

そして、そんな多井の手牌に残ってる牌は何か?と考えると

①誰にも当たらない完全安牌
②親にも他家にも当たりそうにない準安牌
③親の現物で他家が欲しそうな牌
④親に通りそうで他家が欲しそうな牌
⑤まだ処理しきれていない親に危険な牌

に分けられると思います。

大体上から順に多いのではないでしょうか。

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そして、親の8s手出しの前に魚谷が白を鳴いてドラを切ったとしたら?

ドラが親に鳴かれない限り、多井の全力アシストが期待できます。

鳴かれないパターンの場合、多井の手牌から上記⑤→④→③の順に切ってくれることが容易に想像できます。

もう一回親から手出しが入ったら⑤は切ってくれなくなるでしょう。

そして、多井が持ってそうな⑤の牌って筒子っぽくありませんか?

そして③や④の牌って萬子の下っぽくないですか??

今回、アシストしてほしいところがまさに多井に残ってそうなんですよね。

4.多井は勝又にも差し込める

これもかなり大きい要素だと思います。

点棒状況的に、多井は勝又に跳満打ってもトップ確定の状況です。

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もし勝又がリーチだとしたら?

親の聴牌気配を察知した多井は上記③や④の牌を勝又に対して抜くのではないでしょうか。


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実際の多井の手牌はこれなんですが、勝又がリーチときたら3mや9m、1pあたりを抜き打つでしょう。

総括.どの要素が欠けても駄目

これも大事なんですが、上に書いた全ての要素が揃って初めて鳴く、という判断なんです。

どれが欠けても駄目なんですよ。

例えば、勝又と聴牌不聴で順位が入れ替わらないなら鳴かずに降りた方が良いでしょうし、多井の下家でなければやはり鳴かない方が良いでしょう。

また、自分が欲しい場所が例えば索子両面と萬子の上の一向聴なら鳴かないです。

この局面、多井が魚谷に呼びかけているこの瞬間だからこそ、その声を魚谷が聞き取り、打牌に活かせなかったのか?と思ったのは僕だけだろうか。

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