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ボーンブロスはどんな味?

 ボーンブロスを初めて飲んだ時、不思議とみなさん一様に「体に染みわたる優しい味」と表現されます。

 骨と野菜から出た「だし」ですから、味の濃いものに慣れた現代人にとっては、本当にシンプルな味なのですが、温かいボーンブロスを飲むと、体の中からじんわりと癒される感覚があり、心までもがほんわり温かくなって安心するのです。
 脳腸相関と言って、腸と脳は密接に繋がっていますから、腸に優しいボーンブロスがお腹に入って来たら、脳も喜んで当然かもしれません。
 人間には本来、今の自分に必要なものを食べたくなるという機能が備わっています。疲れている時に甘いものを食べたくなったり、カルシウムなどのミネラルが不足すると、それを自覚していなくても塩辛いものを食べたくなったりするのは、味とそれぞれの味覚を代表する食べものが問題を解決することを、体が知っているからです。
 ボーンブロスでも、クリニックで開催したボーンブロスセミナーの中で、低FODMAP食用(SIBOの方に勧められる食事療法)のボーンブロスと、一般食用ボーンブロスの飲み比べをした時に、SIBO(小腸内細菌増殖症)の傾向がある人は、低FODMAP食用の方が美味しく感じる傾向がありました。低FODMAP食用を美味しく感じるから、SIBOかも知れないなどと考える必要はありませんが、手作りであれば柔軟に、ある程度自分の好みや体調で野菜の種類や量を調整しても良いと思います。
 使う骨によっても、当然ながら味や香りは異なります。厳密に言えば、同じ動物でも育った環境や食べたものによっても変わってきます。
 鹿などのジビエを使ったボーンブロスは特に、「どんな匂いですか?」「臭くありませんか?」と聞かれることがよくありますが、適切に処理されたジビエは、特別な臭みなどはなく、豚肉には豚肉の匂い、牛肉には牛肉の匂いがあるように、その動物の特徴としての匂いを少し感じる程度です。初めて鹿肉料理を召し上がった方でも、「臭みが全くなかった」と仰る方がほとんどです。