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ポイントは骨を酢水につけること

■ボーンブロス作りのポイントは骨を酢水につけること!
 基本のレシピでは、下ゆでした骨を酢水に30分浸けます。2ℓの水にお酢大さじ2杯を入れることによって、煮出しはじめの水をpH4.5〜5に調整しています。

 弱酸性下で煮出すことによって、①骨のカルシム分が溶けて中の骨髄成分を抽出しやすくなる ②骨髄の構成成分であるタンパク質とコラーゲンが吸収しやすい形に分解されてスープ中に溶け出すことを促進する、2つの効果が期待できます。

 コラーゲンペプチド製品のように、厳密に化学的処理を行っているわけではありませんが、昔からの料理の知恵によっても食材の栄養素を最大限に活用することができます。 酢酸は、直ちに揮発するものではありませんが、加熱時間の経過と共に湯気と一緒に出て行ってしまいますから、予め30分浸けることで、酢酸の効果を十分発揮させようという狙いです。

 当店の鹿ボーンブロスで行った分析では、最終的にでき上がったスープのpHは5.8でした。お酢の酢酸は蒸発しますが、酸性食品である骨と肉が主成分であるボーンブロスは、弱酸性に傾きます。

 ここで一昔前に言われた「酸性食品は体に悪い」「アルカリ性食品を取りましょう」というキャッチコピーが頭をよぎりますが、私たちの体は、酸性食品を食べたら酸性に傾いたり、アルカリ性食品を食べたからアルカリ性に傾いたりするわけではありません。血液のpHは常に7.4に保たれています。胃は胃液があるためpHは1〜3の酸性、小腸は十二指腸がpH 5~6の弱酸性で、下部へ行くにつれて6〜8の中性、大腸は腸内細菌のバランスによってpH 7以下に調整されています。

 食品のpHが体の中でどのように変化するかはとても複雑ですが、要は酸性もアルカリ性もバランスよく食べましょうということだと思います。

 酸性食品とアルカリ性食品と健康の考え方については、こちらの記事が面白く、わかりやすかったのでご紹介します。