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他人の「可愛い」に励まされた。

まだコロナが流行るよりずっと前のこと。初秋の昼下がり、産まれて3~4ヶ月経った息子を抱っこひもに入れて散歩をしていると、前から小さな男の子二人組がやってきて「可愛い赤ちゃんですね!」「触っていいですか?」と元気よく話しかけてくれた。

「ありがとう~、いいよ、でも君たちもすっごく可愛いよ!」と、心の声にとどまらず、あまりの嬉しさ&可愛さについついデレデレになってしまった。抱っこひもから出た息子のアンヨをぷにぷにと触り、赤ちゃんを堪能している。いくつくらいか聞いたところ、小学1年生らしい。私からしてみたら、まだ二人も赤ちゃんだ。こんなに小さいのに赤ちゃんの可愛さが分かるなんて他人の子だが愛おしすぎる。

それから少し二人と話して、別れを惜しみつつさよならをした。彼らの後ろ姿を見守るも、家まで無事に帰れるかすでに心配で、二人に対して親心のようなものまで芽生え始めている。出会ってまだ数分しか経っていないのに。

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このことを帰ってきた夫に話すと、「汚い手で触るなよな~」と一言。子供嫌いの人と子供好きな人が結婚するとこういうところにモヤっとするから要注意だ。子供が産まれれば他のうちの子供まで好きになるとは限らない。

結局夫とはこの子たちの可愛さを分かち合えなかったので、親や友人に話し、「何それ、可愛いすぎじゃん!」と分かってもらい、なんとかモヤモヤを消化できた。

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そしてコロナ禍の今。あの時と同じことはほとんどされなくなった。(たまに話しかけてくれながらベビーカーに乗っている息子の足をついでに触っていくおばあちゃんはいます。)

子供が産まれて夢見ていたのは、両親・祖父母・親戚以外の見知らぬ人に「可愛いね」と言ってもらい、頭をなでてもらったり、ほっぺを触ってもらうことだった。

この、他人に「可愛い」と言ってもらうのが、子育てをしているとすごく重要なんだと気がついた。

親が子供を可愛いと思うのは当たり前だ。でも、言うことを聞かなかったり手に負えないほど泣かれたりすると、どうしても可愛いと思えない時がある。

そんな時に見知らぬ人に「可愛いね~」と言ってもらえると、「あぁ、この子は可愛い存在なんだ、そうだよな」と、なぜだかとても安心できる。日頃の行いを反省しつつ、頑張ろう!と勇気をもらえる。



コロナでなかなかこんなシチュエーションは叶わなくなったので、昔あったいいことを思い出し、日々育児を頑張っています。





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