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2023/9/16 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国経済指標、8月消費者物価指数CPI(9/13)、8月生産者物価指数PPI(9/14)、8月小売売上高(9/14)、について簡単にまとめてみました。



① 8月 消費者物価指数 CPI 9/13


⭕ 消費者物価指数(前年同月比)
総合 結果+3.7% 予想+3.6% (先月+3.2%)
コア 結果+4.3% 予想+4.3% (先月+4.7%)

★ 利上げバイアス ➡

✅ ガソリン価格上昇により総合では先月比0.4%上昇したものの、食品とエネルギーを除くコア指数では先月比-0.4%と基調的なインフレは鈍化しつつある、FRBにとっては「まちまちな結果」となった。

 S&Pは小幅上昇、DOWは小幅下落と株式市場もまちまちな結果。ドル円為替においても大きな影響は見られなかったと思われます。

⭕ 結果の影響も無く、市場では、FRBが9月FOMCで利上げを見送るという見方を織り込んでおり、11月の会合での利上げ観測は50%程と今後の経済指標の結果での判断となります。



② 8月 生産者物価指数 PPI 9/14


⭕ 生産者物価指数 (前年同月比)
総合 結果+1.6% 予想+1.2% (先月+0.8%)
コア 結果+2.2% 予想+2.2% (先月+2.2%)

★ 利上げバイアス ➡

✅ 今回は予想を少し上回りました。直近で鈍化傾向にあった生産者物価指数でしたが、原油価格の上昇に伴い、エネルギー価格、ガソリン価格上昇と、CPIと同様にインフレに対し、再度向かい風が吹き始めている。



③ 8月 米国 小売売上高 9/14

⭕ 小売売上高(前月比)
総合 結果+0.6% 予想+0.1%
利上げバイアス ⤴

✅ 今回も市場予想を上回る伸びを計上し、5か月連続でのプラスとなった。個人消費は堅調で景気を支えている構図が示された。次回、9/20のFOMCではFFレート据え置き観測(98%)がまだ強いが、金利先高観が残る結果となった。

⭕ ガソリンスタンドが5.2%増と原油高の影響が大きい結果となった。

⭕ 比率が高い自動車売上高を除いた小売売上高も+0.6%と米国経済の堅調さが伺える。



④ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所

⑤ 利上げマップ 9/16


✅ 9/20、連邦公開市場委員会(FOMC)での市場参加者の意見は現状維持が98.0%とぼぼ確実。

⭕ 市場参加者の40%が今年中に1回の利上げを観測、FRBメンバーのほとんどが今年中に1回の追加利上げ実施を支持している。

出典元 CME FedWatch ツール

⑤ まとめ

⭕ 米国連邦準備制度理事会(FRB)は、CPI、PPIのまちまちな結果と、小売売上高にみえた、底堅い消費意欲を踏まえ、経済に強い痛みを感じさせずにインフレを抑える「ソフトランディング(軟着陸)」を目指し。
 来週、9/20FOMCでは政策金利の据え置きとする準備をすすめている。市場参加者や株価は既に織り込み済み。

⭕ 15日、全米自動車労組(UAW)は3大自動車メーカー(ビッグスリー)に対するストライキに入った。BIG3従業員の一斉ストは史上初との事で、相当な賃上げ要求の末、交渉決裂となった。全米の自動車関連企業に大きな経済的損失を与える結果となりそうです。BIG3株価への影響はそれ程ありませんでした。


⭕ 15日、ソフトバンクG、孫正義の切り札、半導体設計会社アーム社が米NASDAQに上場。初日は好調となり25%高で終了。守りに徹し、IPO価格を低めに設定した安全最優先の上場との事です。二日目の9/16は4.4%の下落(60.75ドル)となり、今後の株価は決算の結果次第となりそうです。


⭕ OPECプラスは協調減産を年内まで延長。原油価格WTIは9/16時点で1バレル91.21ドルと8/26の80.20に対し3週間で10ドル上昇。

  石油関連株は上昇したが、FRBにとっては、ここに来てインフレ圧力として大きな懸念材料となっている。

⭕ 日本ではマイナス金利解除の市場観測が出回っているが、日銀や植田総裁の粘り強い金融緩和政策の継続の方針変更はいまの所ないと考えられ、今週の為替は一時148円台をつけた。

★ 米国10年債利回り 4.336% 9/16(4.260% 9/9)
★ 日本10年債利回り 0.701% 9/16(0.621% 9/9)
★ 1ドル=147.852円 9/16 (147.788円 9/9)


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均(前週比)9/16現在

★ 
NYDOW 34,618 +0.12%
★ NASDAQ 13,708 ▲0.39%
★ S&P500 4,450 ▲0.16%
★ 日経平均 33,582 +2.99%

🔅 来週の米国、日本経済指標

9/20 米国 連邦公開市場委員会(FOMC)
9/22 日本 日銀政策金利決定会合
8/22 日本 8月 消費者物価指数(CPI)


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